予防歯科[メンテナンス]

根拠に基づいた予防の提案

 

「痛くなったら歯医者に行く」よくこのように思われている方がいらっしゃいます。
しかし、痛みとは体が発する注意信号。「このままではいけない!」ということを身体が知らせてくれているのです。
つまり痛みがでている段階は、すでに病気が進行している状態と言えます。
進行し重症化してから治療を行うよりも、まだ病気になっていない段階や病気になっていても症状がでていない初期段階で歯医者にかかるほうが、時間もかからず費用も安くすみます。
また、一度削ってしまった歯、一度抜いてしまった歯は元に戻りません。
大切な歯をできるかぎり維持し寿命を延ばしていくには、虫歯にかからないよう予防をしていくことが大切です。

歯の運命
予防の効果
歯の運命
歯の運命
歯のライフサイクル
予防歯科はお金がかかる!?

「定期的に歯医者に行くのはお金がかかる」こう思われている方が多いかと思いますが、実はそんなことはありません。
痛みや症状が出てから歯科医院に行くよりも、定期的に検診を受けて将来のリスクを予想し、対処していく方が取りうる選択肢も増えますし、結果的にかかる費用は低くなります。
たとえば、「虫歯になって歯を削って」という治療を続けていると、どんどん歯は削られていき、やがては歯のダメージが蓄積して抜歯しなければならなくなります。すると、入れ歯やブリッジ、インプラントなど失った歯を補う治療をしなければなります。また、歯が1本抜けると、抜けたスペースに歯が移動してきて歯並びが乱れてしまうことも……。それによって、矯正が必要になったり、入れ歯やブリッジが合わなく作り替えたりということもあるでしょう。
この治療にかかる費用は、定期検診のそれとは比べものにならないほど高額です。症状が重くなるとそれだけお金のかかる治療が必要となってくるのです。しかも、「ご自分の歯」というかけがえのない財産を失ってしまうことにもなります。

定期検診を受けるか受けないかで、歯の喪失本数に大きな差が出てきます。
年齢別の歯を失う本数
各国の70歳の残存歯数

個々のリスクに合った予防[歯科検診]

多くの方がかかってしまう虫歯や歯周病ですが、実は一人ひとり原因は異なります。
まずはご自分の虫歯の原因を知ることから始めましょう。

 

虫歯になりたくない、歯周病にもなりたくない、という方は多くいらっしゃると思います。歯科検診に行きたいけれど、いつ、どれくらいの頻度で歯医者に行けばいいのか悩まれてつい後回しになってしまっているという方も多いのではないでしょうか。
歯科医院で行われる検診は、多くの場合虫歯や歯周病の検査を行い、歯石や歯のクリーニングなどのメンテナンスを行います。しかし、実は歯科検診は虫歯や歯周病の状況によって人それぞれ受けるべき頻度が違うのです。
虫歯や歯周病のなりやすさというものは、歯や生体の抵抗力(歯の強さ)、虫歯の原因となる細菌の数(虫歯原因菌の数)、食事に含まれる糖、そして誤った食の習慣などの原因が深く関わっています。そのため、患者さま一人ひとり虫歯や歯周病のリスクが異なりますので、検査をして自分の口の環境がどのような状態かを知ることが大切です。
人間ドックで全身の病気のリスクが調べられるように、歯科検診ではお口の中のリスクを調べることができます。ご自分の歯という財産をこれからも維持していくためにも、定期的なメンテナンスを推奨しています。

リスクとは?
虫歯や歯周病、歯茎の病気や親知らずなどの状態を確認します。特に虫歯や歯周病は、進行してから治療をしてしまうと歯の寿命が短くなってしまいます。そのためには定期的な歯科検診で自分の歯の状態を理解し、毎日の自宅で行うメンテナンスと歯科検診で行われるクリーニングを上手に合わせ、治療をするところまで虫歯や歯周病が進まないように管理することが重要です。

虫歯のリスク
サリバテスト(唾液検査)
歯周病のリスク
  • 唾液の量
  • 唾液の力
  • ミュータンス菌の数(虫歯の原因菌)
  • ラクトバチラス菌
  • 食事の頻度
  • 歯垢の量
  • 虫歯の経験歯数
  • 歯周病の進行を確認するための歯周病検査
  • 歯茎の腫れ
  • 骨の吸収状態
  • 歯垢の量
  • 歯ぐきからの出血・排膿
メンテ間隔

オプション検査(保険適応外)

サリバテスト(唾液検査)
お口の中の細菌の数と唾液量に加え、虫歯の原因となる要素を総合的に判断することにより、あなたの本当の虫歯の原因が分かります。
虫歯の3つの原因 虫歯の原因菌
歯周病菌検査

メンテナンス[MAINTENANCE]

こんな人にオススメいたします!
  • 虫歯予防をしたい方(ある程度進行した虫歯などが見られる場合は、治療が終了してからお受けになることをお勧めしています)
  • 歯周病の予防をしたい方(ブラッシングなどでは落ちないバイオフィルムを取り除くことで、歯周病の原因となる細菌を除去することができます)
  • 矯正中の方(矯正装置の周りの汚れなどをきれいに取り除くのが難しいときなど歯磨きの手助けになります)
  • 治療を繰り返したくない方(定期的なメンテナンスは虫歯の早期発見や歯周病の予防にもつながります)
  • お口の健康の維持をしたい方(定期的なメンテナンスは虫歯や歯周病の予防・進行の抑制に高い効果を発揮します)
こんなメリットがあります!
  • お口のリフレッシュ(歯石を取るような強い刺激ではなく終わった後に爽快感が生まれることを目標に行なわれます)
  • 歯の輝きが増す(多少の汚れやざらつきなどはツルツル、ピカピカに磨きあげられます)
  • 虫歯の予防(歯磨きでは落とせない虫歯の元になる細菌の塊を磨き落とします)
  • 歯周病予防(歯周ポケット内の根の部分に強く付着した歯石ではない細菌の塊を磨き落とします)
  • 歯を強くする(磨き終わってきれいになったら歯の表面にフッ素を塗って歯を強くします)
メンテナンスメニュー

PMTC

PMTCとは、専用器具を用いた歯のクリーニングのことです。歯の表面についた汚れだけでなく、歯と歯の間、歯と歯ぐきの間に溜まりがちな歯垢や歯石を除去し、ツルツルにみがき上げます。虫歯・歯周病の予防効果が高いため、3ヶ月~半年に一度など、定期的なご利用がおすすめです。

 

歯磨き指導

毎日しっかり「みがいている」つもりでも、実は「みがけていない」のが、セルフケアである歯みがきの実態です。当院では、患者さんに正しいセルフケアの技術を身につけていただけるよう、「歯みがき指導」に力を入れています。一人ひとりの患者さんの歯並びやみがき方のクセなどから、適切な方法をアドバイスいたします。

 

噛み合わせチェック

咬み合わせバランスが、全身のバランスに影響を及ぼすことがあります。咬み合わせの悪さからしっかり咬んで食事できず、胃腸などの消化器官に負担となっていたり、片側で咬むクセが顎関節症を引き起こしたりするのです。当院では、咬み合わせチェックを行うことで、口腔内環が全身の健康に悪影響を及ぼしていないかを確認しています。

 

シーラント

虫歯になりやすい、奥歯の咬合面(咬み合うところ)に行う予防処置です。歯の溝をあらかじめ歯科用プラスチックで埋めることで、食べかすや歯垢が溜まって虫歯になるのを防ぎます。お子さんの最初に生える永久歯である、6歳臼歯の虫歯予防に効果的です。生活しているうちに次第に削れてきますので、シーラント後は定期的に見せに来てください。

 

フッ素コーティング

歯の再石灰化を促すフッ素を、歯の表面に塗る処置です。歯科医院でのフッ素塗布は、市販のものより高濃度のフッ素を使用し、クリーニングの後などに行います。年に数回、定期的に塗ることで虫歯予防に高い効果が期待できます。当院ではフッ素塗布に関しては特に費用をいただいておりません。お気軽におっしゃってください。

インプラントメンテナンス[IMPLANT]

インプラントは、天然歯と同等の咬み心地や、見た目を取り戻せる優れた治療です。
しかし、治療が完了したらそれですべて終わりではありません。
むしろ、そこからのメインテナンスがとても重要です。
実はインプラントは、メインテナンスを怠ると、抜け落ちてしまうことがあります。
逆を言えば、メインテナンスをしっかり行っていれば、長い期間使えます。
手術をしてせっかく埋め込んだインプラントを長持ちさせるために、治療後のメインテナンスを欠かさないようにしましょう。

メンテナンスを怠ると…
メンテナンスを怠ると…

ご存知ですか?インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、いわゆる「インプラントの歯周病」。天然歯と同じように、歯周病菌によって歯ぐきやインプラントを支える顎の骨などの歯周組織が破壊されてしまう病気です。悪化するとインプラントはぐらつき、最終的には支えを失って抜け落ちてしまいます。
また、インプラントを支える歯周組織は天然歯のときより細菌に感染しやすく、さらに人工物であるインプラントは異常に気づきにくいというリスクも抱えています。インプラント周囲炎からインプラントを守るには、毎日の適切なブラッシングのほかに歯科医院での定期的なメインテナンスが欠かせません。患者様自身が意識して、積極的に取り組みましょう。

入れ歯のメンテナンス[AN ARTIFICIAL TOOTH]

こんなことで困っていませんか?
  • 痛い
  • 食べにくい
  • 噛み合わせが悪い
  • しゃべりにくい
  • 噛み切れない
  • 笑えない
  • 見た目が悪い
  • 外れやすい
  • 入れ歯安定剤が欠かせない
  • 入れ歯の裏側にモノが挟まる
  • 口が曲がっている
  • 左右の顎のバランスが悪い
入れ歯も1年1度の定期検診をしましょう。

快適な入れ歯生活を維持するためには定期的なメンテナンスで、
入れ歯と口腔内のチェックを行い、つねに正しい適合状態を確認しましょう。

  • 良く噛める入れ歯ほど人工歯が減ってきます。
    入れ歯は使っていると人工歯が少しずつ減ってきます。良く噛める入れ歯ほど減りが早いので、1年に1度は歯科医院でのチェックを受けましょう。かみ合わせが狂ってくると、入れ歯が動かされ粘膜を傷めてしまいます。
  • 局部義歯ではマメにチェックを。
    局部義歯の場合は、残っている歯と歯肉の状態の定期的なチェックと清掃か大切です。最近では、PMTCという専門家による清掃も簡単に行えますので、定期検診をおすすめします。
  • 入れ歯はがまんしない。
    入れ歯を入れていて、ちょっとでも違和感を感じたら遠慮せずに歯科医院を訪れましょう。
入れ歯は、患者さんひとり一人みんな違うものです。

一つとして同じものはありませんので、徹底的に歯科医師と話し合って、患者さんにとってベストの状態にしてもらうことが大切です。
残念なことに、新しい入れ歯は最初はなかなか慣れずにしっくりきません。また、使っていくうちに、ちょっとずつ不具合も感じてくることがありますので、マメに歯科医院と連絡をとりあって調整してもらうことが大切です。入れ歯はがまんしないてください。

 

自分にピッタリの入れ歯を長持ちさせるためには、お手入れやメンテナンスがとても重要です。
ここでは、お手入れやメンテナンスの方法や必要性についてご説明しましょう。

お手入れ
入れ歯を清潔に保ち正しく扱うことで、長持ちさせることができます。
  • 義歯ブラシの使用義歯ブラシは、入れ歯専用の歯ブラシです。毛の面積が小さい方では、部分入れ歯のバネや細かい部分を磨きやすくなっています。毛の面積が大きい方では、入れ歯の表面や裏面を磨きやすくなっています。日に1度は、自分の体を洗うように入れ歯も義歯ブラシできれいに洗ってあげてください。
  • 入れ歯洗浄剤の使用入れ歯洗浄剤は、酵素系のものがほとんどで、入れ歯に付着した細菌を取り除いてくれます。
  • 寝るときは入れ歯をはずす四六時中入れ歯をつけたままにしておくと、粘膜に赤く跡がつきますので、寝るときは入れ歯をはすし、粘膜を休ませましょう。
  • 入れ歯を保管する際は、水の中につける入れ歯の素材はほぼプラスティックですので、乾燥すると変形したり、壊れやすくなります。入れ歯は必ず、水につけて保管しましょう。
メンテナンス
お口の中の環境は日々変わるため、さまざまな問題が生じます。下記はとくに多くみられる症状です。定期的に健診を受け、早めに不具合を発見し、処置・調整を行いましょう。
  • 汚れ入れ歯は、材質や構造により違いはありますが、細かい傷がつきやすく、汚れや歯垢、歯石も付着しやすくなります。とくに「歯石」は歯磨きでは取れず、歯ぐきや既存歯へ影響を及ぼす可能性がありますので、定期的にプロの手で入れ歯をクリーニングしてもらいましょう。
  • バネのゆるみ部分入れ歯についているバネは、使用しているうちにゆるんできます。ゆるんだままにしておくとバネのかかっている歯に負担がかかりやすく、抜歯の原因となってしまうので注意しましょう。
  • 人工歯の削れ、欠け入れ歯も人工物ですから、年月とともに削れて噛み合わせが変化してきます。人工歯は、レジン歯、硬質レジン歯、陶歯などがあります。レジン歯はプラスティックなので削れやすく、陶歯は削れにくいという利点がありますが、割れやすいという欠点もあります。
  • 入れ歯が合わない入れ歯があわなくなるおおきな原因は、入れ歯の装着による「顎の骨の吸収」と言われます。あわない入れ歯を使用していると顎の吸収がどんどん進むため、入れ歯はもちろん、インプラント治療も非常に難しくなります。
入れ歯以外の治療法との比較

歯を失った部分を補う治療法には、「入れ歯」の他にもいくつかあります。
他の治療法と比較しながら、入れ歯の特徴を理解しましょう。

治療法 特徴・メリット 問題点
入れ歯
入れ歯
  • 費用が低価格
  • 手術の必要がない
  • 歯を削る量が少ない
  • 取り外しができ、掃除が簡単
  • 治療期間が短い
  • 隣歯への負担が大きい(部分入れ歯の場合、バネをかけるため)
  • 装着時に違和感がある
  • 入れ歯を支える骨や歯の喪失を招きやすい
  • 数年ごとに作りかえ、または調整を必要とする
ブリッジ
ブリッジ
失った部位の両隣の歯を削り、義歯のブリッジをかぶせて固定する方法

  • 天然歯と同じような外観・機能が期待できる
  • 咬み合わせを回復することができる
  • 入れ歯より高額
  • 隣歯を削る必要がある
  • 土台となるしっかりとした歯が両側にないと治療できない
  • 失った歯の数が多いと治療できない
インプラント
インプラント
歯のない部分にのみ人工歯根(フィクスチャー)を埋め込み、歯(歯冠を取り付ける方法)

  • 天然歯と同じような外観・機能が期待できる
  • 失った部分の顎の骨がなくなるのを防ぐ
  • 健康な歯を犠牲にする必要がない
  • 適切にケアすれば充分長持ちする
  • 入れ歯やブリッジより高額
  • 手術の必要がある
  • 取り外しはできない
  • 治療期間が長い

インプラントへ治療例へ

入れ歯は、もはやあなたの体の一部です。自分に合った入れ歯とともに、いつまでも快適な生活を送れるよう、日頃から入れ歯を大切に扱うことが大切です。