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歯医者さんは、お口の定期管理・予防処置をする場所へ|岡山にある歯医者【政久歯科醫院】

2024年12月9日

皆さんはどのような時に歯医者さんへ行きますか?
歯の痛みなど困ったことが起こった時でしょうか?
実は今「予防歯科」という言葉が知られるようになり「痛くなる前に歯医者さんに行く」「良い状態を維持するために定期的に歯医者さんに行く」と通院される方が増えてきました。 今回は、そんな時代の変化や患者様の意識の変化、また予防歯科のメリットや歯医者選びのポイントまでをお伝えします。

 

治療メインの場所から予防をする場所へ

患者さんに歯磨き指導を行う歯科衛生士
日本には「むし歯の洪水時代」と呼ばれる時期があったことをご存じですか?
今から約50〜60年くらい前、日本中にむし歯のある子どもが溢れていました。また、歯科治療の知識・技術が未熟で「痛みが出た時・困った時」の対症療法のみが行われていました。
私の親世代(70代)の選択肢は、「むし歯になってから歯医者さんへ行き、治療するか抜歯するか」でした。実は、私も小学生の頃、毎年のように学校の歯科検診で「C(むし歯)」と書かれたお手紙を持ち帰り、歯医者さんへ連れて行かれていました・・・さすがに、歯をすぐ抜くようなことはなく削って詰める治療をしてもらっていました。今思えば、歯磨きをした記憶はあまりなく、デンタルフロスの存在すら知りませんでした・・・柔らかいミルク飴を食べて銀歯が取れることもありました。
知識があれば、むし歯予防もできたはずですが、私の幼少期は世間的にも家庭の中でも、むし歯予防の概念が浸透してなかった時代で「歯医者さんは、薬品の匂いがする、歯を削られる場所」と認識していました。

近年、「むし歯を作らないように、予め防ぐ(予防)」が当たり前となり“むし歯ゼロ”を目指せる時代になりました。これは、予防の概念が世の中に広まり、フッ素入り歯磨き粉の普及、家庭での食生活の変化、そして多くの方がお口の健康に関心を持つようになったおかげです。 そして、歯医者さんの存在も「歯を削る場所から、むし歯を作らない予防する場所」へ変わりつつあります。
しかし、その一方で、歯医者さんへの定期的な通院が習慣化されていない現実もあります。 「むし歯がないから、歯医者さんへ行かない」 「毎日フッ素入り歯磨き粉を使っているから大丈夫」 「歯の掃除だけなら、歯医者さんでなくても家でしているから」 などの声を聞くことも少なくはありません。 では、なぜ歯医者さんに行く必要があるのか?気になりますよね!
ここからは、予防歯科について書いていきます。

 

歯医者さんは、歯の掃除をしてくれるだけ?

頬をおさえる女性
お家での歯磨きで歯ブラシだけを使用した場合、落とせる汚れ(歯垢)は約60%程度と言われています。 歯ブラシに加えてデンタルフロスを使うことで、約85%程度まで綺麗にすることはできますが、残りの約15%の汚れは、お家での歯磨きで完全に除去することは難しいと言われています。そして残った歯垢はむし歯や歯周病を引き起こす原因になりかねません。この15%の磨き残し(歯垢)は歯科醫院で除去することが出来ます。だからこそ、歯医者さんでの定期的な予防処置&管理が必要です。
歯科醫院の予防処置・定期健診では以下のような検査・処置を行います。
 

  • ① PMTC(Professional Mechanical Teeth Cleaning:専門職のスタッフ(歯科医師・歯科衛生士)による機械を使った歯の清掃)を受けることで、お口の中の細菌の数をぐっと減らす事ができる。
  • ② 歯科医院専用の高濃度フッ化物を利用し、歯の質を強化させることによってむし歯になりにくい状態にする。
  • ③ 歯茎の状態を検査し、歯肉炎や歯周病の状況を把握して、歯石・歯垢の除去やブラッシングのポイントを伝えることで歯茎の健康を守る
  • ④ 様々なお口のトラブルが起こらないようにむし歯や歯周病のチェックだけではなく、歯並びのチェックなどを行い、問題が起こる前に確認し、健康な状態を維持できるようにする。

 
例えば、この夏大活躍だったエアコン。 普段、ご家庭でお手入れができる範囲は限られていますよね。シーズンが終わると、内部まで専門家にしっかりクリーニング&メンテナンスをしてもらうことで、翌年も綺麗な状態で気持ちよく使い続けることができます。
お口のケアも同じで、ホームケア(普段の歯磨き)とプロケア(歯科の定期健診など)の両方をうまく使い、良い状態を長く維持することができると良いですね♪

 

小さい頃からの習慣が一生の健康を左右する

うがいをする女の子
子どもの頃から、定期的な歯科検診を受ける習慣をつけることは、お口の健康を保つためにとても大切です。
むし歯も歯周病も歯並びも、生活習慣病の一種です。毎日の生活習慣によって発症・進行することがあり、逆に言えば生活習慣を整えることで予防することも可能です。生活習慣は知らず知らずのうちに身についており、大人になってから学び・身につけることは少ないのではないでしょうか?
だからこそ、小さいうちから「予防のために歯科医院に通う」習慣をつけておくことが大切です。

 

それぞれの予防法

 

むし歯を予防

セルフケアグッズ
食べるものの質やタイミングで食生活習慣を整える。
食べたら磨く・歯ブラシやデンタルフロスを使う・低濃度フッ化物利用の習慣化。
歯医者さんでPMTCを受けることなど、むし歯を発症させないようにする。
また、定期健診で初期う蝕(まだ穴が開いていない状態のむし歯)の段階で早期発見することで、原因を解決し穴が開かないように予防することが可能です。

 

歯周病予防

口の中をチェックしてもらっている男の子
歯周病菌にも様々な種類があり、その中でもレッドコンプレックスと言い「歯周病を進行させる能力の高い菌の集合体」がいます。この菌が、お口の中に定着してしまうと、なかなか厄介で歯周病をどんどん進行させてしまいます。レッドコンプレックスの感染時期は、小学校高学年から18歳くらいまでの間と言われています。この菌たちは、酸素が少ない環境を好む特徴があり、深い歯周ポケットに存在するため、歯茎の健康な状態を保って歯周ポケットを深くしないように予防することで感染しない、させないことができます。
そのためには、お口の中の汚れ(歯垢)をしっかり落とし続けることが大切です。

 

歯並び予防

口を指さす女性
歯並びは生活習慣(食べる・話す・姿勢・鼻呼吸・表情)などに左右されます。例えば、口呼吸。様々な原因や癖で口で呼吸する習慣がついていると、歯並びや噛み合わせにも影響します。
歯科矯正治療で歯並びを治したとしても、口呼吸が改善されなければ、歯並びが後戻りする可能性も高くなります。そのような習慣を悪習癖と呼び、早期発見早期改善(治療)をすることで歯並びを悪くさせない予防ができます。

 

口腔機能低下症の予防

胸を抑えて苦しそうな女性
口腔機能低下症とは、加齢だけでなく、疾患や傷害など様々な要因によって、お口の機能が低下していく症状のことを指します。この症状を放置すると、摂食嚥下障害(食べ物を口に運び、咀嚼し、飲み込む過程に問題が生じる状態)などを引き起こし、低栄養・筋肉や心・身体機能の低下など、全身の健康を損ないかねません。
最近、活舌が悪くなった・わずかにむせる・食べこぼしが増えた・口が渇きやすいなど、気になることはありませんか?もしかすると、口腔機能低下症の一歩手前まできているかもしれません。
実は、口腔機能の衰えと身体の衰えには相関関係があると言われています。 歯が残っていても、舌の力・唾液量などお口の機能が衰えていると食事がうまくできないことがあります。また、食べる機能が低下していると硬めの食事がとりにくくなり、たんぱく質や食物繊維などが不足し、栄養が偏りやすくなります。
歯科では、口腔機能の検査や管理をすることで、口腔機能低下症の予防をすることが出来ます。まずは、ご自身のお口の状態を知るために、歯科醫院の受診をおススメします。

 

口腔機能発達不全症の予防

口を開けて眠る男性
「口腔機能」とは、「食べる」「話す」「呼吸する」などの、お口周りに関する基本的な機能のことです。これらの機能が十分に発達していないか、正常に獲得できていない状態のことを口腔機能発達不全症といいます。
該当する人は年々増加しており、最近のデータでは約5人に1人の子どもに「お口ポカン」や「いびき」といった口腔機能発達不全症のサインが見られると言われています。 一方で、口腔機能発達不全症という病名を知らない方もまだまだ多くいらっしゃいます。
口腔機能発達不全症の原因は、口呼吸や指しゃぶりなどの悪習癖と言われています。例えば、口呼吸だとお口周りの筋肉の発達・顎の発達を阻害し、歯並びや噛み合わせにも悪影響を及ぼします。
たとえ大人になって矯正治療で綺麗な歯並びにしたとしても、こういった悪習癖があると、矯正前の状態に少しずつ戻っていく後戻りに繋がります。
成長段階から正しい口腔機能を身に着けることで、きちんとしたお口の成長を促すことが大切です。歯科醫院では口唇や舌など、お口周りの機能をトレーニングすることができます。トレーニングを通して、悪習癖を無くし、正しい機能を獲得することで、口腔機能発達不全症を予防・治療していきます。
お子様のお口を見て、口が空いている・くちゃくちゃ音を立ててご飯を食べているなど、少しでも気になることがあれば気軽にご相談ください。

 

親子が笑顔で通える歯医者さんへ

笑顔で診察を受ける親子
小さい頃から歯医者さんに通うこと・お口に触れることに慣れることで、歯医者さんを怖がることなく、定期的に通うことができます。そして、子どもが楽しく通える歯医者さんを選ぶことは、お口の健康を習慣づける上でとても重要です。子どもが楽しく通える歯医者さん選びのポイントを4つご紹介します。

 

①子どもの目線に立った診療

子どもがリラックスできるような雰囲気作り、分かりやすい説明、丁寧な治療をしてくれる。

 

②予防に力を入れている

定期的な検診やクリーニング、フッ素塗布、歯並び予防など、予め困りごとが起こらないよう予防処置などに力を入れている。

 

③小児歯科専門スタッフがいる

大人は子どものミニチュアではないので、小児歯科の専門知識を持ったスタッフが子どもの発育段階に合わせた診療を行うことができる。

 

④親身になって相談に乗ってくれる

一人一人に寄り添った対応をしてくれ、歯に関する悩みや不安を相談できる。

 

小さなうちから予防歯科に通う習慣をつけるために、当院ではこんなことをしています

説明をする歯科衛生士

  • ・歯磨き指導、食育など、予防に関するアドバイス
  • ・親子で参加できるイベント開催
  • ・お口の機能(食べる・話す・呼吸)をサポートするトレーニング
  • ・妊娠期のお口のケア
  • ・離乳食サポート

 

まとめ

いかがでしたか?「むし歯ゼロ」の時代だからこそ、歯医者さんへの定期的な検診を習慣化し、一生涯自分の歯で安心安全に美味しく食べることができたら嬉しく思います。

 

【このようなお悩みをお持ちの方へ】

  • ・子どもが歯医者さんを怖がる
  • ・歯磨きの習慣がつかない
  • ・歯並びが気になる
  • ・定期的な検診の大切さが分からない政久歯科醫院へお気軽にご相談ください。

政久歯科醫院の予防歯科についてはこちら⇨
政久歯科醫院の小児歯科についてはこちら⇨

 

この記事の監修者

院長:政久 直紀

政久 直紀院長

経歴

  • 広島大学歯学部 卒業
  • 医療法人光済会 森本歯科医院 勤務
  • 医療法人明生会 明生会歯科診療所 院長
  • 政久デンタルオフィス 開業
  • 政久歯科醫院 移転開業
  • 医療法人社団BLISS 開設

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離乳食について(準備編)|岡山にある歯医者【政久歯科醫院】

2024年8月26日

歯科衛生士歴20年、お母さん歴15年のママさん歯科衛生士です。 今回は、「離乳食について 〜歯並びへの影響(準備編)〜」のお話です( ^∀^) 我が子に「離乳食をちゃんと食べて欲しく」て、一生懸命に頑張りすぎてしまっていることはないですか? 一人一人、親も子も性格や環境などそれぞれ違うので、教科書通りにいかなくても焦らなくても良いのです。 実は、私自身も頑張りすぎて疲弊した育児をしていました。 理想の母親、理想の育児、理想の子どもなど、「〇〇すべき」と無意識に自分自身にいつも宿題を出していました。 振り返れば、それはそれで必要なことだったのかもしれませんが、楽しかったか?笑顔だったか?と聞かれたら、答えは「NO!」です。 今の母としての経験と歯科衛生士としてお口育ての知識や経験をあの頃の自分が知っていたら、もっと余裕を持って『笑顔で楽しいお食事タイム』になっていたと思います。 そこで、今回は離乳食についてのお話をします。

 

〇離乳食とは

赤ちゃんの口元
離乳食とは、母乳または育児用ミルクなどの乳汁栄養から幼児食を食べられるようになるための時期に食べる『食形態』のことです。 この時期に、乳児の“飲む”から“食べる”お口の動きへ発達し、やがて自分で食べられるようになっていきます。 離乳食の時期はお口の成長にとても大切です。 また、生活習慣病の予防にもこの時期は健康的な食習慣の基礎を作る重要なタイミングです。 生涯に必要な「食べる力」を身につけ、親子で『楽しく食べる体験』ができると良いですね♪

 

〇まずは離乳食を始める前に『気持ちの準備』を整える

いただきますをする親子
前置きが長くなりましたが、離乳期はお母さん・お父さんや赤ちゃんにとって楽しみなイベントですね。 その反面、不安や心配も多いことでしょう。 離乳食と歯並びの関係など、気になること・知りたい事はたくさんあると思うのですが、 今回まずは『気持ちの準備を整える』ところからお伝えしようと思います。

 

〇赤ちゃんの目線に共感する👀

つかみ食べをする子ども
赤ちゃんの時は特に目覚ましい成長スピードです! 離乳食を始めた時「座っていられない、動き回る、口に入れてから出す、食べ物を触り床などに落とす・・・」 「なんでうまくいかないんだろう・・・」と感じる方も多いと思います。 しかし!お母さん・お父さん!それで良いのです(^_^) それも立派な成長なのです✨ 寝た状態で生活していた時の目線と座ることができるようになった時の目線は、大きく変わります。 そりゃ誰だって動きたくもなりますよね♪ ひとまず「いろいろなものが見えているね!動きたいね〜」と赤ちゃんの目線に共感してみてください♪ 一息つくだけで、気持ちの余裕が少し生まれます。

 

〇離乳食準備のポイントは『観察すること』

離乳食を食べる親子
しかし、そんなことばかりは言ってられませんよね。 まずは赤ちゃんが『動き回る時がどのような時か』を観察してみてください。 食欲は人間の本能です。空腹であれば、まず食欲を満たす為に食事に集中するはずです。 しかし、動き回るということはもしかしたらお腹が空いていないタイミングなのかもしれませんね( ´∀`) そのような時は、生活リズムを紙に書き出してみてください。 意外と空腹のタイミングが違うところにあるかもしれません。 例えば「お昼ご飯は12時!」のような時間に捉われず、お腹が空いたタイミングを見計らって食べる楽しみ喜びを感じられるようにしてみてください。 また、「口に入れてから出す、食べ物を触り床などに落とす・・・」などの行為も、これまた幼児食に向けた大きな一歩を踏み出している最中ですね♪ 「嫌いだから口から出す、落とす」ではなく、その時のお口の中の状況によって、入れてみて感じて「これは少し大きいから噛み砕けないな〜、このまま飲み込んだら喉に詰まるわ、母さん」って感じです。 赤ちゃんは、五感を全て使って様々な情報を身につけようとしています。 【香りを感じて、目で見て、周りの声を聞いて、手で触って、口に入れて】五感で感じて口に入れて、 例)【良い香りのするツルッとした食感で甘くて冷たい】などを日々繰り返し行うことで脳が覚えていきます。 私たち大人も未体験のことを学ぶ時、トライ & エラーを繰り返して上達するように、赤ちゃんの食べる力も同じです。 乳汁を生まれてすぐ飲むことは本能で自然にできますが、食べる動きは「トライ & エラー」を繰り返し、自ら学び身につけていくのです。

 

〇まとめ

離乳食期は「一歩進んで二歩下がる」くらいの気持ちで構えておいてください。 そして、赤ちゃんは日々、一生懸命すくすくと成長をしています。 温かく見守りながら、赤ちゃんの食べる力を紡いでいきましょう この記事を読んで、少し気持ちに余裕が生まれ笑顔で楽しいお食事タイムになることを願います。 この続きは『離乳食について(本番編)〜歯並びへの影響〜』でお話しいたします。 お楽しみに♪
政久歯科醫院の小児歯科/マタニティ歯科についてはこちら⇨

 

この記事の筆者

歯科衛生士:中島加奈

歯科衛生士:中島加奈

プロフィール

  • 歯科衛生士歴22年
  • 米粉ナチュラルアドバイザー
  • 3児の母
  • お口育て教室・離乳食講座開催

 

この記事の監修者

院長:政久 直紀

政久 直紀院長

経歴

  • 広島大学歯学部 卒業
  • 医療法人光済会 森本歯科医院 勤務
  • 医療法人明生会 明生会歯科診療所 院長
  • 政久デンタルオフィス 開業
  • 政久歯科醫院 移転開業
  • 医療法人社団BLISS 開設

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フッ素について|岡山にある歯医者【政久歯科醫院】

2024年7月1日

皆さん、フッ素ってご存知ですか? 「虫歯予防のためにフッ素を塗りましょう」ってよく聞きますよね! しかし、その一方で「フッ素は塗らない方が良い」「身体に悪い」「危険」という話も聞いたことがあるのではないかと思います。 でも実のところ、よく知らないし分からないけど、みんな塗っているし、 歯医者さんで定期検診の時に「フッ素つけておきますね〜」って言われたから 塗っているってことはないですか? そこで今回は、 フッ素についてお話しします。
フッ素のイラスト

① フッ素って何?

フッ素とは・・・フッ素(正式にはフッ化物・フッ素化合物)は、虫歯菌の出す酸に抵抗できる歯(溶かされにくくする)をつくったり、虫歯菌の活動を抑制する効果があります。 フッ素はほとんどの食品に含まれるミネラル成分の1つで、魚介類や野菜、肉、牛乳、塩、お茶の葉っぱなど、多くの食品に含まれており、ビタミン類の様に、毎日摂らなければならない必須の栄養素に位置付けられています。特別なお薬というわけでなく、人間の体内では13番目に多く存在する元素と言われています。 日常的に私たちの周りに存在するものだとわかれば安心ですね。 では、「えっ??フッ素は安心安全ってこと?なんで塗らない方が良いって言われるの?」となりますよね。 実は、フッ素単体(F2)の状態だと猛毒だからです。実は、私達の身近な自然界にはフッ素単体では存在せず、形を変えた状態に変化している&ごく微量のため、食べたり飲んだりしても、いきなり《フッ素=危険》にはなりません。 しかし、一度に大量のフッ素を取りすぎると、副作用(急性中毒/慢性中毒)が起こることもあります。

 

②安全性について

考えている女性
*安全性とは:ある物事についての安全(リスクが許容可能な水準に抑えられている状態)の度合いのこと 例えば、 生きていく上で必要な「塩分」。個人の体の大きさ(体重)や状態(病気の有無など)によって、1日の摂取目安量がありますよね。 適量取ることで、元気に生活できますが、必要以上に取り過ぎると、病気を引き起こす原因となります。 フッ素も同じく、体重によって摂取量の目安が決まっています。 たくさん歯に塗ったからといって、虫歯予防効果が高くなるものではないので、量や使用方法を守ることが大切です。 (詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください)

 

急性中毒

下痢や嘔吐・吐き気・痙攣(けいれん)などが起こる フッ素の急性中毒は2~4mg/kgとされており、体重10kgであれば20mgのフッ素で中毒症状が出る可能性があります。 950ppmで計算すると, 約20kgのお子様が、フッ素ジェル(950ppm/60g)1.7本を一気に飲み込むと中毒量に達する可能性があります。 約60kgの大人であれば、5本程度の計算になりますね💦 その量を飲み込もうと思うと、飲み込めなくはないが、ちょっと無理ですよね・・・ 基本的にはお薬ですのでお子様の手の届かないところでの管理をお願いしています。 また、フッ素は蓄積されることもないので安心してお使いいただけます。

◆低濃度フッ素:日本の薬事法で定められている濃度(500〜1500ppm)でご自宅で毎日使うことによって効果を発揮します。

◆高濃度フッ素:低濃度の約10倍の濃度で、歯科医院や保健所などで塗ってもらうことができます。年に3〜4回程度塗ってもらいましょう。

 

③塗るとどうなるの?

きれいな歯
フッ素には、3つの働きで虫歯の発生と進行を防ぐ効果があります。

 

1)エナメル質の修復を促進

酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと(再石灰化)を促進します。

 

2)歯の質を強化

歯の表面を覆うエナメル質を、酸に溶けにくい性質に変え、ムシ歯への抵抗力を高めます。

 

3)菌の働きを弱める

ムシ歯を引き起こす細菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。

 

④フッ化物が入っている歯磨き粉の効果的な使い方

フッ素入り歯磨き粉のイラスト

◆量

【年齢・お口の中の状況の目安】

*1歳6ヶ月・乳歯の奥歯が生え始め頃:米粒〜小豆(1〜2mm)程度:500〜1000ppm以下

*3歳頃・乳歯が全て生えそろう(20本)頃:グリンピース(5mm)程度:1000ppm以下

*6歳〜・永久歯が生え始め〜生え揃う頃:大豆1個〜2個(1〜2cm )程度:〜1500ppm

フッ素に関する表

◆歯の表面にできるだけ長く留める=うがいは最小限でOK!

ブクブクうがいができないお子様は、歯ブラシで汚れを取る→歯ブラシ洗って水気を切る→フッ素を塗り込む→ その後は飲食を控える うがいができる年齢であっても、フッ素を塗り込んだ後は、うがいはペットボトルのキャップ1杯程度で軽く済ませることをおすすめしています。 ※就寝前(夕食後)がベストタイミング(最低でも30分は飲食を控える)

 

◆歯の萌出状況も要確認!

奥から2番目(乳歯)が生え始めたら、フッ素を塗り始めましょう。 いつまで塗るかと聞かれることも多いのですが、短くても12歳臼歯(大人の歯の一番奥)が生えて3年間くらいは特に歯科医院での高濃度フッ素塗布をおすすめしています。 また、日々の生活の中で、歯磨き粉(低濃度フッ素配合)を使用することも大切です。 虫歯のリスクが高い歯の根の部分が見えてきている方は、特に定期的に歯医者さんで検診を受け、継続的に高濃度の歯科専用フッ素を塗ってもらうと良いかもしれませんね。

 

◆歯磨き粉はフッ素の濃度の記載があるものを選ぼう!

歯科医院や薬局やインターネット販売など様々な場所で購入することができます。 濃度(年齢お口の中の状況の目安参照)、フッ素配合(記載名:フッ化ナトリウム・フッ化第一スズ・モノフルオロリン酸ナトリウム)、濃度、タイプ(泡/スプレー/ジェル)、お子様の年齢や歯の萌出状況、家庭で毎日使える味やタイプによって選べるといいですね!選ぶポイントがわからない時は、いつでもお気軽にご相談ください。 ※うがいができない/不安(目安:3歳未満):スプレーやジェルなど研磨剤などの入っていないものを選び、塗るだけでOK! ※うがいができる(目安:4歳以上):歯ブラシで汚れを取り、ジェルタイプを塗り込み、その後は、ペットボトルのキャップ1杯程度の水でうがいをする

 

⑥ フッ素は魔法の薬ではない?!塗らなくても虫歯予防はできる♪

ここまで「フッ素=虫歯予防に効果的」とお話ししてきました。 フッ素は歯磨きが出来てこそ効果があります! がしかし。。。歯磨きが出来て、フッ素を積極的に取り入れていても、残念ながら虫歯になることがあります。 なぜならば、虫歯には食生活が大きく関係しているからです。 虫歯は、虫歯菌が出す酸によって、歯が溶かされることにより穴が開き進行していきます。酸が口の中に出ている時間や回数が長ければ長いほど虫歯になるのです。 食事3食以外で、間食回数が2回までは虫歯になりにくく、3回以上では虫歯になりやすいという、研究結果もあります。 食事以外で、おやつやジュースを3回以上食べたり飲んだりしている食生活の場合は、フッ素を積極的に取り入れる前に、まず食生活を見直すことから始めることをお勧めします。 いやいや!ちょっと待って!! ただ、子育て中の間食は、母にとってマストアイテムの一つであり、時として救世主! そんなの無理無理〜〜〜 そりゃそうですよね! そんな時は、ぜひ一度相談に来てください!
子育て&歯科衛生としての知識と経験から、フッ素の有効活用方法と食生活、お母さん目線からの様々な角度から、母子共に無理なく虫歯予防ができる方法を一緒に考えます。
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政久歯科醫院の小児歯科・マタニティ歯科についてはこちらから⇨

 

この記事の筆者

歯科衛生士:中島加奈

歯科衛生士:中島加奈

プロフィール

  • 歯科衛生士歴22年
  • 米粉ナチュラルアドバイザー
  • 3児の母
  • お口育て教室・離乳食講座開催

 

この記事の監修者

院長:政久 直紀

政久 直紀院長

経歴

  • 広島大学歯学部 卒業
  • 医療法人光済会 森本歯科医院 勤務
  • 医療法人明生会 明生会歯科診療所 院長
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赤ちゃんの歯医者さん~いつから始めればいいの?~

2023年6月23日

このような経験ないですか?

 

こんにちは!

歯科衛生士歴20年・お母さん歴15年のママさん歯科衛生士です。

突然ですが、このような経験はないですか?

 

(歯医者)
「むし歯になるから、甘いものはやめて、歯磨きをしっかりしてください!」

(母)
「はい!わかりました!頑張ります!」

 

「むし歯を作りたくないから頑張ろう!」と決意したものの、実際にはなかなか上手くいく日ばかりではなく・・・

 

(母:心の声)
「むし歯にはしたくないけど、甘いもの好きだし。。。歯磨きは嫌がり、押さえつけないと磨けないからかわいそう。。。歯医者さんでは約束したけど、実際は難しいな😢」

 

 

子育てをしていると様々なシーンで「理想はわかっていても現実は難しい」ことがたくさんありますよね。

 

そんな時には、専門家をもっともっと気軽に頼ってもらいたいと思います✨歯医者さんの理想と、お母さんの現実にあるギャップを埋められるようなご提案ができるように心がけ「歯医者さんは、子どもが楽しく通える場所」にしたいと考えています♪

今回は【赤ちゃんの歯科デビューの時期】楽しく通える場所になるポイントをご紹介します。

 

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≪目次≫

 

1.赤ちゃんの歯科デビュー時期
2.子どもが楽しく通える3つのポイント
 ① 赤ちゃんが通える歯医者さんってどんなところ?
 ② 赤ちゃんは泣いて当たり前( ´∀`)〜
 ③ 赤ちゃんの時から歯医者さんへ行く意味
3.まとめ

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1.赤ちゃんの歯科デビュー時期

では、いつから通い始めると「子どもが楽しく通える場所」になるのでしょうか?実は、明確な○歳○ヶ月になったら始めないといけないなどの決まりはありません。「早いから良い!」「遅いから悪い!」などということもありません。強いていうなら【お母さんと赤ちゃんの準備ができた時赤ちゃんやお母さんが外出するのにご負担の少ない時間帯や時期】をお選びください。

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2.子どもが楽しく通える3つのポイント

ここからは『子どもが楽しく通える3つのポイント』をご紹介いたします。

 

①赤ちゃんが楽しく通える歯医者さんてどんなところ?

歯医者さんは、治療やお口のメインテナンスをする為だけでなく『お口に問題がないか』または『問題が起こりそうなところがないか』をお口の専門家(歯科医師・歯科衛生士)の目によって確認するところです。

赤ちゃんのお口の中は、まだゼロの状態で、むし歯や歯茎の病気にもなっていません。(稀に生まれた時から歯が生えていることもあります)

その状態から何の問題もなく(むし歯なし・歯茎の病気なし・歯並びや噛み合わせが良い状態)成長をしていけたらどんなに素敵なことでしょう♪

そうなるために、赤ちゃんの時から歯や歯茎が健康な状態かを確認しに行ってみてください♪

 

何も問題のない小さな可愛いお口は、小さな鏡でお口の中を見るだけですので短時間で痛みもなく終わります。(令和5年5月時点では、岡山県内であれば就学前までのお子様は医療費負担なし。早めの受診をオススメします。)また、小さな頃から通うことで、人や場所に慣れることも重要です♪

 

⓶赤ちゃんは泣いて当たり前( ´∀`)〜<

赤ちゃんは言葉で伝えることがまだできないため「不快感」を泣いて表現します。何の為にお口の中を歯医者さんに診られているか理解できません。

しかも、よく知らない場所で『よく知らない大人に』お口の中を触られるわけですから、なんかちょっといつもと違う空気で泣いてしまうこともありますよね。

悲しい、辛い、痛いことをしているわけではないので、優しく見守り終わった後は抱きしめてあげてくださいね( ´∀`)

しかし、泣いている状態はいいことではないので、できるだけ短時間で診療を終えられるように最善を尽くします。

 

③赤ちゃんの時から歯医者さんへ行く意味

生まれてすぐの赤ちゃんには、まだ歯がありませんよね。だから歯を診る歯医者さんに行く必要がないと思われがちです。でも実は、歯を診る以外にも歯医者さんではたくさんのことを診ています。例えば、唇の形、唇の内側にあるヒダ、歯茎の形、舌の形、舌の裏側にあるヒダ、などです。一見、むし歯や歯並びなどのお口の病気には関係なさそうですが、実はとても大切な診るポイントです。

 

 

なぜかというと、例えば唇が閉じられなくてお口が空いたままになっていると、お口が乾燥し、むし歯になりやすいお口の状態になります。些細なことかもしれませんが赤ちゃん時の形や動きは成長と共に自然と良い状態へ変わっていくこともありますが多くは変わらずそのまま成長します。そして、むし歯の可能性だけでなく歯並びや体の成長にも関係します。

舌や唇についているヒダが突っ張ったりしているとお口を動かしにくくなることもあります。そうなると、母乳をうまく吸えず『飲む量が足りない=ご機嫌が悪くなる』『体重が増えにくい』など影響があることも。おっぱいを飲む時に音がしたり離乳食が思うように進まないもしくは丸呑みしている・お口が空いていることが多いなど、思い当たる場合は歯医者さんに相談をしてみてくださいね♪

 

 

もし、思い当たらなくても『何ともないかの確認』も出来ますので、お気軽にご相談ください。また、歯がない赤ちゃんのむし歯の予防にはお母さんのお口を調べることで事前にお子様がむし歯になりやすいかの可能性を知ることもできます。

 

3.まとめ

自分のことなら即決できることでも、子どものこととなると色々と考えて前に進めないことがありますよね。しかし、子どもの成長はいい意味で待ってはくれません。今も1秒単位で進んでいます。そんな我が子の成長についての教科書やマニュアルはないのです。『みんな違ってみんな良い』だからこそ、“現状の把握”や“今、必要なこと”はその道の専門家に直接聞いてみることをオススメします。また、マタニティの頃から通うことも可能です。生まれてすぐできることもたくさんありますのでぜひお気軽にご相談ください。きっと、まだまだ「大人になって通い始めた方」が多いと思います。今後は、「赤ちゃんの時から通っているよ!」が当たり前になる時代になれば嬉しいです♪

 

最後まで、読んでくださり有難うございました。

 

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医療法人BLISS 政久歯科醫院
〒700-0822
岡山市北区表町1-5-1シンフォニービル2階
☎︎(086)234-5255

 

【診療時間】
平日
月・火・金 9:30〜18:00
水     9:30〜12:00/14:30〜19:00
土     9:00〜17:00
休診日:木曜日、日曜日、祝日

 

 

 

 

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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〒700-0822 岡山市北区表町1-5-1 岡山シンフォニービル2F

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