抜歯後の適切な対応について|岡山市にある歯医者【政久歯科醫院】
2024年12月24日
当院では、なるべく「抜歯を回避する治療」を行っていますが、どうしても歯を残せない場合もあります。
歯を抜いた後は、術後の回復のため、また残っている歯の健康を守るため適切な処置をする必要があります。
今回は、歯を抜いたあと放置するとどうなるのか?また抜歯後の治療の流れた注意点などもお伝えします。
抜歯をしたあと放置するとどうなってしまう?
大きな虫歯で歯の大部分を失ってしまうと、歯を抜かざるを得ない場合があります。 抜歯後は、「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」いずれかの方法で、歯の機能を回復させる治療が必要です。
歯を失っても目立たない場所だと「そのまま放置していても気にならない」と思うこともあるかもしれませんが、放置するのは良くありません。
周囲の歯に悪影響が出たり、噛み合わせ全体が崩れてしまうこともあります。
悪影響について詳しく解説していきます。
空いたスペースを埋めようと動いてしまう
抜歯した部分は、空いたスペースとなり、周囲の歯が空いたスペースに向かって動いてきてしまいます。
噛み合わせが悪くなる
噛み合う位置の歯や両隣にあった歯が動くことにより、歯列(歯並び)が乱れ、噛み合わせ全体が悪くなる可能性があります。
一部の歯に大きな負担がかかるようになれば、歯が欠ける・割れる、摩耗するなどのリスクが高くなります。また咀嚼に問題が生じる場合や、顔貌(お顔の見た目)自体に歪みが出てしまうことがあります。
治療後の痛みや腫れはどれくらいで治るのか
抜歯は外科処置で歯茎の中や顎の骨に触れる処置です。そのため、治療後は痛みや腫れが起きることがあります。しかし痛みや腫れは2〜3日で治ってくるので、心配ありません。
痛みのピークは抜歯翌日で、その後は徐々にひいてきます。腫れのピークは痛みより少し遅れて現れ、抜歯から2日後くらいになることが多いでしょう。
抜歯後3日から1週間ほどで、痛みも腫れも治まってきます。
わずかに鈍い痛みが残ることがありますが、長くても2週間程度で改善するでしょう。
個人差がありますので、抜歯後は様子を見ながら安静に過ごすようにしてください。
痛みや腫れが治らない場合や、出血が止まらない場合など、異常を感じたら早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
抜歯後の注意点
歯を抜いた後は、治癒を良好に進め、痛みや腫れを長引かせないためにいくつかの注意点があります。
飲酒・激しい運動・入浴を控える
抜歯後は血の巡りが良くなる行為を控えることが重要です。血流が良くなると、痛みや腫れが強くなる可能性があります。そのため、飲酒や激しい運動、入浴は避けましょう。お風呂も湯船には浸からず、シャワー程度にしましょう。
患部を指や舌で触らない
抜歯した部位が気になるかもしれませんが、指や舌で触るのは避けてください。触ってしまうことで痛みや腫れが強くなる場合や、患部が細菌感染を起こす可能性があります。
うがいを極力しない
抜歯後の穴には血餅(けっぺい)と呼ばれる血の塊ができ、それがカサブタのような役割を果たして治癒を促します。しかし、強いうがいを繰り返すと血餅が剥がれ、治りが悪くなることがあります。ブクブクと強いうがいをはもちろん、 極力うがいを控えていただきます。
処方された薬を用法通りに飲む
抜歯後には、痛み止め(鎮痛剤)や抗生物質が処方されることが多いです。痛み止めは、痛みがある時に医師の指示通りの間隔を守って服用してください。抗生物質が処方された場合は、抜歯した部位の感染を防くために痛みがなくなった後でも必ず全て飲み切ることが大切です。
当院での抜歯後の処置について
抜歯後は、止血状態を確認したうえでご帰宅いただきます。その後、必要に応じて消毒などのために来院していただくことがあります。
消毒
抜歯した部位に異常がないかを確認し、消毒を行います。
通常、抜歯の翌日または翌々日に受診していただくことが多いです。
抜糸
抜歯の状態によっては、処置の最後に縫合を行うことがあります。
この場合、抜歯から1週間程度で抜糸処置を行います。
抜歯窩(ばっしか)の治癒経過の観察と治療計画
抜歯後の傷跡は、1か月から1か月半ほどで完全に歯茎に覆われます。歯の根があった部分に骨が形成されるにはさらに時間がかかりますが、抜歯後1年ほどで骨も完全に出来上がります。
抜歯を悩まれている方へ
いかがでしたか?今回は抜歯後の適切な対応についてご紹介しました。
抜歯した部分は、「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」のいずれかの方法で治療を行い、歯があった部分を補う必要があります。個人差があるため歯の治癒状態を確認しながら治療を進めますが、抜歯した歯が前歯の場合など、早めに見た目を回復する必要がある場合は、抜歯と同時に仮歯を入れるなどの処置を行うことも可能です。
また、インプラントを希望される場合は、抜歯前から治療計画を立てる必要があります。抜歯と同時にインプラントの施術を行う場合もあるため、事前に詳しい治療相談や治療計画のための検査を実施いたします。
「この歯は抜かなければならない、と言われて怖くなった」と抜歯することを悩まれている患者様も多くいらっしゃいます。セカンドオピニオンも受け付けていますので、一度ご相談ください。
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この記事の監修者
院長:政久 直紀
経歴
- 広島大学歯学部 卒業
- 医療法人光済会 森本歯科医院 勤務
- 医療法人明生会 明生会歯科診療所 院長
- 政久デンタルオフィス 開業
- 政久歯科醫院 移転開業
- 医療法人社団BLISS 開設