急な歯の痛みの原因とは?すぐにできる応急処置と受診の目安を解説|岡山市にある歯医者【政久歯科醫院】
2025年8月13日
目次
急に歯が痛くなった…まず何をすればいい?
「夕方、仕事中に急にズキズキ…。明日までは歯医者に行けない」「夜中に痛みで目が覚めてしまった」そんなふうに、突然の歯の痛みに戸惑っている方も多いのではないでしょうか。ズキズキと響く痛みは、仕事中や夜間など、今すぐ歯医者に行けないタイミングで襲ってくることも少なくありません。
まず落ち着いて、痛みの状態を確認しましょう。
「冷たいものがしみる」「何もしなくてもズキズキする」「噛むと痛む」など、痛みの種類や強さには原因によって違いがあります。
この段階で大切なのは、無理に刺激を与えないこと。
痛い部分を何度も触ったり、熱いものを食べたりするのは逆効果になることもあります。
そして、できるだけ早く歯科医院を受診することが最も確実な解決方法です。
応急的に痛みを和らげる方法もありますが、原因が解決しない限り、再発や悪化のリスクが残ります。
まずは「どうすれば今の痛みを少しでも和らげられるか」や「どんな原因が考えられるか」を、次章で詳しくご紹介します。
痛みの原因は?考えられる主なトラブル
「なんで急にこんなに痛いの…?」
歯の痛みにはいくつかの代表的な原因があります。中には放っておくと悪化してしまうものも。
ここでは、よくある4つのトラブルを、できるだけわかりやすくご紹介します。
1. 歯髄炎(神経の炎症)
痛みの原因として、いちばん多いのが「虫歯」です。初期段階では痛みを感じにくいですが、進行すると歯の中の「象牙質(ぞうげしつ)」や「神経(歯髄)」にまで達し、ズキズキした痛みに変わります。
「冷たいものがしみる」「甘いものを食べると痛い」という症状があれば要注意。
放っておくと、虫歯が進行し、神経に細菌が到達すると「歯髄炎」になります。
これは歯の中の神経が炎症を起こしている状態で、耐え難い痛みをともないます。
- • 何もしていなくてもズキズキ痛む(自発痛)が特徴。
- • 夜間や寝ているときに痛みが強くなることも多く、眠れないほど痛む。
この状態になると、神経を取る「根管治療(こんかんちりょう)」が必要です。市販薬では一時的におさまっても、原因が残っているため再発するリスクがあります。
2. 歯茎や歯の根の膿(歯周炎)
歯の根っこや周囲の歯茎に「膿(うみ)」がたまることで痛みを起こす場合もあります。虫歯が進んだ結果、神経が死んでしまい、そのまま気づかずに膿がたまるケースも少なくありません。
-
• 「噛むと痛い」「歯茎が腫れている」「歯が浮いたような感覚」があるときはこの可能性も。
• 見た目ではわかりにくく、レントゲンで初めて発見されることも。
3. 親知らずの炎症(智歯周囲炎)
親知らずが半分だけ生えているような状態だと、その周囲に細菌がたまりやすくなり、炎症を起こすことがあります。
- • 特に「下の奥歯のさらに奥が痛い」「口が開けづらい」「飲み込むと痛い」などの症状があれば、親知らずの影響かもしれません。
- • 炎症がひどくなると頬が腫れたり、発熱を伴うケースもあります。
これらの原因は自分で正確に判断するのが難しく、症状が似ていることも多いです。
痛みを感じたときは、「無理に我慢せず、できるだけ早く歯科医院を受診する」ことが、症状を長引かせないコツです。
歯医者に行けないときの応急処置
「今すぐ歯医者に行きたいけど、夜中だし…」
そんなときでも、少しでも痛みをやわらげる方法を知っておくと安心です。
ここでは、家でできる応急処置を5つご紹介します。
1. 痛み止めを使う
まずは市販の鎮痛薬(ロキソニン・イブ・タイレノールなど)を使うことで、痛みを一時的におさえられます。
用法・用量を守り、飲みすぎないように注意しましょう。
- • 「ロキソニン」は即効性が高く、比較的多くの人に使われています。
- • 「タイレノール」は胃にやさしく、妊婦さんでも使いやすいとされています(使用前に医師に相談を)。
※アレルギーがある方や、持病のある方は使用前に確認を。
2. 冷やす(ただし外側から)
頬の外側から冷たいタオルや保冷剤をあてると、炎症が和らぎ痛みが軽減することがあります。
ただし、直接歯や歯茎に冷たいものを当てるのはNG。しみて逆効果になることもあります。
- • 清潔なタオルに包んで、5〜10分を目安に。
- • 氷を直接肌に当てると低温やけどの恐れがあるため注意。
3. 清潔を保つ(ぬるま湯うがい)
痛みの原因が膿や炎症の場合、口の中を清潔に保つことがとても大切です。
水ではなく、ぬるま湯(37℃前後)で優しくうがいすることで、細菌の繁殖を抑えることができます。
- • 刺激の強いマウスウォッシュは避けるほうが無難。
- • 血が出ていたり、腫れている部分がある場合は無理にうがいしないでください。
4. 歯を無理に磨かない
「歯は磨いたほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、痛みがあるときに無理にブラッシングするのは逆効果です。
炎症を広げてしまう可能性もあるため、優しく磨く/患部を避けて磨くようにしましょう。
5. アルコール・喫煙・刺激物を控える
アルコールやタバコ、辛いものなどは炎症を悪化させる原因になります。
痛みがあるときは控えて、できるだけ安静に過ごすことが回復への近道です。
これらの応急処置は、あくまで“痛みをやわらげる一時的な対策”です。
症状の根本的な改善には、やはり歯科での診察と治療が必要です。
やってはいけないNG行動とは?
歯が突然ズキッと痛み出すと、焦って「とりあえず今できることを」と対処してしまいがちです。でもその行動、実は逆効果かもしれません。
自己判断で間違った対応をしてしまうと、かえって症状を悪化させてしまうケースもあります。ここでは、歯の痛みが出たときに避けたいNG行動をご紹介します。
【NG1】痛い部分を温める
「冷えたらよくない」と思って、痛む頬をカイロやお湯で温める方がいますが、これはNGです。
歯の痛みの多くは炎症が原因なので、温めると血行が良くなり、炎症がさらに広がる=痛みが強くなるおそれがあります。
痛みが出たら、むしろ冷やすのが基本。保冷剤や冷たいタオルをタオルに包んで、軽くあてる程度にしましょう。
【NG2】鎮痛剤を何度も飲む
痛み止めが手放せない気持ちはわかりますが、市販の鎮痛薬を何度も飲むのはリスクがあります。
決められた用量・時間を守らないと、胃腸を荒らしたり、効果が薄れていくことも。
また、「薬で痛みが引いたから大丈夫」と受診を先延ばしにしてしまい、根本の病気が進行してしまうケースも少なくありません。
痛み止めはあくまで一時的な対処。原因を解決しない限り、痛みは繰り返します。
【NG3】様子見で何日も放置する
「一晩寝たら治るかも」と数日放置してしまうのも、よくある失敗です。
特に歯の神経や根っこの炎症は、時間とともに悪化しやすく、早期の対応がカギとなります。
一度痛みが落ち着いても、見えないところで病気が進んでいることがあります。痛みが強い・繰り返す・腫れてきた、などの症状があるなら、すぐに歯医者へ。
歯医者にはいつ行くべき?受診のタイミングと目安
「この痛み、歯医者に行くべき?」と迷ったときは、痛みの程度や症状の変化を目安に判断しましょう。ズキズキと強い痛みが続いたり、歯茎の腫れ・熱感・顔の腫れなどがある場合は、感染が進行している可能性があり、早急な受診が必要です。また、冷たいものがしみる・詰め物が取れた場合も、放置すると悪化するリスクがあります。一方で、軽い違和感や一時的な痛みだけなら、数日様子を見ることも可能ですが、症状が繰り返す場合は早めに歯科医院を受診しましょう。
迷ったら、まずは早めの受診を
歯の痛みは、我慢できるうちはつい放置してしまいがちですが、小さな違和感の裏に大きなトラブルが隠れていることも少なくありません。「これくらいなら大丈夫」と自己判断せず、少しでも不安を感じたら、早めに歯科を受診することが大切です。症状が軽いうちに対応することで、治療もシンプルで済む可能性が高くなります。「迷ったら行く」が歯の健康を守る最善の選択肢です。
ご予約はこちらから
この記事の監修者
院長:政久 直紀
経歴
- 広島大学歯学部 卒業
- 医療法人光済会 森本歯科医院 勤務
- 医療法人明生会 明生会歯科診療所 院長
- 政久デンタルオフィス 開業
- 政久歯科醫院 移転開業
- 医療法人社団BLISS 開設