“甘いもの”が子どもに与える影響!?3児の母・歯科衛生士の実体験と食育のコツ|岡山市にある歯医者【政久歯科醫院】
2025年10月6日
〜3児の母・現役歯科衛生士が語る子どもの健康と食習慣〜
こんにちは。政久歯科醫院で歯科衛生士として働いている中島です。
私は3人の子どもを育てながら日々診療にあたっています。母として、そして歯科衛生士として、子育て世代の皆さんと同じように「どうしたら子どもの健康を守れるか」と悩み、日々考えています。
その中でも、今回は「糖質」について、むし歯予防の枠を超えて、子どもの体や心にどのような影響があるのかを我が家の実体験も混じえてお伝えしたいと思います。
むし歯だけじゃない、糖質の影響
糖質=砂糖(や炭水化物)と聞くと、多くの方がまず「むし歯」を連想されるのではないでしょうか。
もちろんそれは大切なポイントです。甘いお菓子やジュースがむし歯の大きな原因であることはよく知られています。
でも実は糖質の取り方は、歯だけでなく 子どもの成長・集中力・生活リズム にも深く関わっているのです。
血糖値のアップダウンが子どもの気分に影響
子どもが甘いおやつやジュースを飲んだあと、急に元気になったり、逆にイライラしたりすることはありませんか?
これは血糖値の急上昇と急降下によるもので、自立神経を乱す原因の一つとも言われています。
糖質を一度にたくさん摂ると血糖値が急に上がり、その後インスリンというホルモンが一気に働いて急降下します。すると体はエネルギー不足を感じ、眠くなったり、落ち着きがなくなったりするのです。
保育園や学校で「集中できない」「気分の波が激しい」と言われる子の中には、実は食生活習慣が関係しているケースもあります。
からだの発達と糖質
〜摂取する「量」「質」「タイミング」が大切〜
糖質を摂ると、分解するためにビタミンやミネラルが消費されます。
特にカルシウムやビタミンB群は歯や骨の発達に欠かせない栄養素。成長期の子どもが甘いものばかり食べていると、必要な栄養が不足しやすくなります。
さらに「糖質の質」も大切です。清涼飲料水やキャンディなど精製された砂糖は急激に血糖値を上げやすく、栄養の消耗も大きくなります。一方で、ごはんや果物など自然の食品に含まれる糖質は、食物繊維やビタミンも一緒に摂れるため、体への負担が少なくなります。
また、夜遅くまでダラダラとお菓子を食べていると睡眠の質も下がり、成長ホルモンの分泌に影響することも。
「食べる時間」もとても大切なのです。
糖質=悪者ではなく、“ちょうどいい量を、良い質で、タイミングよく” が、歯と体の健康を守るコツです。
我が家の実体験から
3人(+主人)の子育てをする中で、私自身も糖質との付き合い方に考えさせられることがありました。
長男・長女は2つ違いで、次女は長男と9つ離れています。
当時の私は、むし歯予防は「ダラダラ食べはしない!歯磨きをしていたら良い!」と思っていました。
その結果、子どもたちにむし歯はできていません!
しかし、思い返せば、糖質の落とし穴にはまっていた時期がありました。
主人と長男は、菓子パンが好きでした(今、振り返れば、好きだったから出していたのではなく、私が楽&喜んで食べてくれる!ことで、菓子パンを出していただけだったかな・・・)。
その頃は、長男はいわゆる、“子どもらしい子ども”と言われる感じで、落ち着きがなく常に動き回っていました。
主人は、朝食を起きてすぐ食べられず、よく胃腸を壊しており、若いのにいつもとても疲れていました。そして、その疲れのせいか、帰宅後は甘いお菓子を好んで大量に食べる。当時は、それが当たり前と思っていました。
長男が小学生になった頃に、たまたま、「糖質についての勉強」をする機会があったのです。
そこから、むし歯予防だけでなく、血糖値の上昇や体と脳の発達に影響があるなどを知り
食生活習慣を変えました。
ただ、全てを変えることは難しく、まずは朝食の菓子パンを食パンに変えました。
お菓子もストックすることをできるだけ控え、ジュースもたまに買う、おばあちゃんの家に行った時にはOKなどにしました。
長男は、年齢を重ねたことも関係しているかもしれませんが、落ち着くこともできるようになりました。
主人も甘いお菓子を食べる頻度が減ってきました。
またさらにそこから、次女が生まれて食物アレルギーが発覚し、食生活習慣を見直すきっかけがありました。
アレルギーのお陰で、洋食や外食はほぼなくなり、和食中心になりました。
朝食は、「菓子パン」ではなく、「お米」に変えました。
その頃からさらに、長男は確実に、穏やかになりました。
主人は、朝食を家で食べられるようになり、胃腸の調子も良くなりました!
年を重ねているものの、疲れも前より軽減しているように感じています。
親として、「子ども(+主人)に我慢ばかりさせたくない」気持ちもよくわかります。
だからこそ、 “ゼロにする”のではなく“うまく付き合う” ことを大切にしています。
今日からできる!糖質との上手な付き合い方
時間を決めて食べる
ダラダラ食べはむし歯リスクも、血糖値の乱高下も増やします。「おやつは15時に」と決めるだけでメリハリがつきます。
飲み物は「水」や「お茶」を基本に
ジュースやスポーツドリンクは糖分が多め。普段はお水や麦茶を基本にし、ジュースなど甘い飲み物は特別な時だけにしましょう。
“質”を選ぶ
お菓子の代わりに果物や、米粉を使ったおやつなど、体に負担の少ないものを取り入れてみましょう。
ごほうび=甘いもの、にしない
「頑張ったからケーキね」という習慣は、心のご褒美=糖質になりがち。
シールやお出かけなど、別の方法もおすすめです。
歯科医院でできるサポート
政久歯科醫院では、むし歯予防だけでなく「食育」や「生活習慣のアドバイス」にも力を入れています。
「おやつはどのくらいなら大丈夫?」「何を選んだらいいの?」など、ちょっとした疑問も気軽に相談してください。
歯科は“むし歯を治す場所”だけではなく、“健康を守る場所”。
小さな工夫が、子どもの未来の大きな財産になります。
最後に
糖質は、子どもにとって大切なエネルギー源でもあります。
だからこそ「悪いもの」として排除するのではなく、「どう取り入れるか」を親子で学んでいくことが大切です。
3児の母としても、歯科衛生士としても、私は「子どもが笑顔で元気に成長できるサポートをしたい」と心から思っています。
みなさんも、ぜひ今日からお子さんのおやつや飲み物を見直してみませんか?
その一歩が、むし歯予防だけでなく、集中力・成長・心の安定につながります。
この記事の筆者
歯科衛生士:中島加奈
プロフィール
- 歯科衛生士歴22年
- 米粉ナチュラルアドバイザー
- 3児の母
- お口育て教室・離乳食講座開催
この記事の監修者
院長:政久 直紀
経歴
- 広島大学歯学部 卒業
- 医療法人光済会 森本歯科医院 勤務
- 医療法人明生会 明生会歯科診療所 院長
- 政久デンタルオフィス 開業
- 政久歯科醫院 移転開業
- 医療法人社団BLISS 開設