若い方でも歯周病!!
2017年2月21日
こんにちは、二月も終わりに近づいてきましたが、まだまだ寒い日が続いております。寒中に可憐に咲く梅の花をみると、その健気さに心打たれます。華やかな桜の季節前の静かに春を待つこの時期が、とても好きな歯科衛生士 岡嶋です。
さて、先日「全身の健康はお口に通ず」で歯周病のことに触れましたが、若い方は「自分には関係ない」と思われていませんか?
確かに歯周病罹患率は年齢とともに増えていく傾向がありますが、25~34歳では20%位の罹患率となっており、当院におきましても若い方の進行した歯周病を見かけることがよくあります。
歯周病が始まる年齢=20代
歯周病は、20代から徐々に発症してくる場合が多いといわれています。
しかし、これには口腔内の常在菌(常に存在する細菌)のバランスや、歯磨きの方法、生活習慣、歯科医院での予防プログラムの実施有無によっても大きく差が出ます。
- ・たばこを吸っている
- ・糖尿病がある
- ・夜歯磨きをしていない
- ・間食が多い
- ・歯並び、かみ合わせが悪い
- ・歯医者に行ったことがない
- ・虫歯になったことがない
- ・歯科には歯が痛いときにしか行かない
このようなものに当てはまる人は、20代でもすでに重度の歯周病になっていたり、10代のうちに歯周病が始まるということも十分考えられます。
ちなみに、虫歯になりやすい年齢は20代前半ごろまでで、それ以降は徐々に虫歯にはなりにくくなってきます。
それと入れ替わるように歯周病菌が優勢となり、20代後半からは歯周病を発症する人が増えてきます。
また、「虫歯になったことがない」人に歯周病のリスクが大きい理由としては、歯にトラブルが起こらないため、歯科医院に行かないということが挙げられます。
虫歯菌が口腔内に存在しない人は、たとえ歯磨きをほとんどしていなくても虫歯にはなりません。
しかし、虫歯菌がいないからと言って、歯周病菌もいないとは限りません。
きちんとした歯磨きをする習慣がないまま、歯科医院にも行かずにいると、虫歯は1本もないのに、気がついたときには歯周病で歯を失うことになるということもあります。
歯周病は静かに、痛みなく進行していく病気であるため、歯科に行く習慣がないと、どうしても発見が遅れてしまう傾向にあります。
政久歯科醫院での歯周病治療の流れは次のようになっております。
歯周病治療の流れ
歯周基本治療(STEP.1~STEP.3)
STEP.1 検査(基本・精密検査、レントゲン診査など)
まず、症状に対する応急処置をします。治療計画を立て、治療方針をご相談します。
STEP.2 プラークコントロール
プラーク(歯垢)コントロールの基本は、あなたの毎日のハミガキです。
あなたに合ったブラッシング方法を指導します。
STEP.3 歯周病初期治療(原因除去療法)
プラークコントロール(患者様:歯肉縁上+術者:歯肉縁下)により炎症を緩和して、歯石の除去・かみ合わせの改善などを行うことにより、歯周病の原因を取り除きます。
※歯周基本治療(STEP.1~STEP.3)を経てSTEP.4の再検査の結果、完治が困難だった場合は、次のSTEP.5に進みます。
STEP.4 再検査
検査結果を基に、再度治療計画を立てます。重症で症状が改善しない場合は歯周外科手術が必要です。
基本治療で完治した場合は、メインテナンスに入ります。
STEP.5 歯周外科手術(歯周病の中等度~重症の時、必要に応じて)
歯周病の原因を取り除いても治らないほど重症な場合、歯周外科手術が必要な場合があります。
フラップ手術(モディファイドウイッドマン法・アピカリーポジションド法)
歯肉をめくり、歯根の奥深くについた歯石を除去、不良な病巣の肉を除去して再び縫合して戻し、歯周ポケットを取り除く手術です。
歯周組織再生療法(EMD法・GTR法など)
歯周再生療法、骨移植法とは、中等度以上の歯周病で失われた歯周組織を元に戻す治療です。
すなわち歯周病で破壊された歯の周りのセメント質、歯根膜、歯槽骨などを再生する治療です。
そして歯の周りの歯肉は蘇り、プラークコントロールしやすい歯肉になります。
エムドゲイン(EMD法)は、スウェーデンで開発された歯周組織再生用材料です。
GTR法は、人工の膜を用いて骨が出来るまで歯肉の侵入を防ぐ方法です。
歯肉歯槽粘膜形成手術(遊離歯肉移植術・結合組織移植手術・小帯切除など)
抜歯などにより陥没した歯肉にボリュームを与えたり、露出した歯根面を歯肉で覆うことが出来ます。
STEP.6 メインテナンス
歯周病は再発しやすい病気です。お口の健康を維持するためには、定期的なクリーニングと歯科健診が必要です。若いうちから、お口の健康を守ることで全身の健康も守りましょう。私たちがお手伝いさせて頂きます。
インプラント治療後のメンテナンスは必須です。
2017年2月14日
インプラント周囲炎の原因は主にメンテナンス不足です
インプラント治療は治療後にメンテナンスを怠るとせっかく自分の歯のような嚙み心地を取り戻されても、それを長持ちさせることが難しくなります。インプラント治療と治療後のメンテナンスは切り離すことができません。
天然歯の細菌感染「歯周病」は、歯を失う大きな要因の一つですが、インプラントの細菌感染「インプラント周囲炎」は、インプラント失敗の最大原因と言えます。インプラント周囲炎は、歯周病と同様に口の中の汚れ(プラークや歯石)が原因であり、インプラントをお使いの方は注意しなければならない病気です。
インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、細菌感染によって歯肉や歯周組織に起こる炎症です。歯肉の炎症から始まり、歯周組織にまで炎症が拡がると、歯槽骨の吸収・インプラントの脱落を招きます。天然歯の歯周病と異なる点は、インプラントには歯根膜などの栄養血管が周囲にないため、抵抗力が弱く、進行しやすいという点です。急速に炎症が拡がってしまうため、重症化しやすいという特徴があります。
インプラント周囲炎の原因
インプラント周囲炎の原因は、プラークや歯石の中に存在する細菌であり、「毎日歯磨きしている」という人でも、感染する可能性があります。歯磨きだけでは、口の中の汚れを100%除去することはできないため、定期的に歯科医院で磨き残した汚れを除去する必要があるのです。そのため、インプラント治療後は、セルフメンテナンスに加え、定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける必要があります。普段の歯磨きに加え、定期的にプロによるクリーニングを受けることで、インプラント周囲炎の効果的な予防が可能になるのです。
喫煙もインプラント周囲炎の原因に
インプラント治療を受ける際に、喫煙リスクについても説明しておりますが、喫煙は歯肉の免疫力を低下させ、感染リスクを高めます。
インプラント周囲炎を効果的に予防するには、口の中の細菌を減らすことはもちろん、細菌に負けない歯肉を維持することが大切なのです。
インプラント周囲炎の症状
インプラント周囲炎の症状は次の通りです。
Ⅱ炎症が歯槽骨にまで及ぶ
歯肉の腫れ・出血・歯周ポケットが深くなる
Ⅲ歯槽骨の吸収が進む
歯肉の腫れ・出血・歯周ポケットがさらに深くなる
歯肉から膿が出る・歯肉の退縮・インプラントの動揺
※歯肉炎の症状と似た、進行度Ⅰの病態は「インプラント周囲粘膜炎」とも呼ばれます。周囲炎の初期段階であるため、この段階での適切な治療が望ましいでしょう。
初期症状は自覚しにくいため、歯科医院で行う定期的メンテナンスでチェックを受けることが大切です。定期的メンテナンスは、口の中のクリーニングなどを行うことで予防効果も高まりますが、万一細菌感染してしまった場合の、早期発見にもつながるのです。
インプラント周囲炎は、初期の段階では痛みなどの症状が起こりません。そのため、症状に気付きにくく、気付いた頃には重症化しているケースも少なくありません。
インプラント周囲炎の治療方法
インプラント周囲炎の初期段階である「インプラント周囲粘膜炎」ならば、適切なプラークコントロールを行うことで症状は改善されます。しかし、炎症が歯周組織にまで拡がり、インプラントに汚れが付着するようになると、インプラント表面をキレイにする施術が必要になります。さらに周囲炎が進行して歯槽骨の吸収が始まると(表1進行度Ⅲ 歯肉の退縮)、外科的な処置も必要になってきます。歯肉を切開してインプラントに付着した汚れの除去、歯周ポケットの切除などをしなければならなくなるのです。また、歯槽骨の吸収が著しい場合には骨量を増やす治療が、歯肉の退縮が著しい場合には歯肉を増やす治療が必要になる場合もあります。
インプラント周囲炎を予防するには?
インプラント周囲炎を予防するには、次の3つのことが必要になります。
- 正しいブラッシング方法を習得し、日頃から効果的なプラークコントロールを行う
- 医師の指示に従って、定期的な通院(メンテナンス)を継続する
- 喫煙や食習慣など、インプラント歯周炎のリスクを高める生活習慣を改める
政久歯科醫院では、インプラント周囲炎を効果的に予防するため、メンテナンスはもちろん、ブラッシング指導や生活指導を行っています。
インプラント治療を受けられた多くの患者様には、きちんとインプラントメンテナンスにご来院頂いておりますが、インプラント治療後、快適な口腔環境でトラブルなくお過ごしで、メンテナンスにお越しになられていない患者様、症状がなくてもメンテナンスは必要です。症状が出てからでは遅いのです。
私が22年前に初めてインプラント治療をさせて頂いた患者様は現在80歳。インプラントが6本埋入してありますが、現在も口腔機能に問題なく快適に過ごされています。年に数回のメンテナンスに必ずご来院されていることは言うまでもありません。
インプラントを長持ちさせるためには、ぜひプロフェッショナルによるメンテナンスをご継続ください。
なかなか治らない歯の痛み
2017年2月2日
治らない歯の痛みを解決するには
こんにちは、政久歯科醫院 院長の政久です。
暦の上では、立秋。昨日は暑さが幾分和らいだようでしたが、まだまだ猛暑が続きそうです。
皆様、水分(+塩分)、栄養、睡眠、休養をしっかりとって、お健やかにお過ごしください。
(さらに…)