神経を抜きたくないという方へ|岡山市にある歯医者【政久歯科醫院】
2025年5月28日
目次
歯は神経を抜くと、どうしても脆くなり、寿命が短くなってしまいます。
当院では、できるだけ歯の神経を残す治療を大切にしています。
神経を残した方がいい理由
歯の中には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経と血管が通った組織があります。
歯に栄養や酸素を届けるほか、痛みや温度を感じ取る役割も果たしています。
この神経を失うと、歯は栄養を受け取れなくなり、枯れ木のようにもろくなります。
また、感覚も鈍くなるため、トラブルが起きても気づきにくくなってしまいます。
歯をできるだけ長く健康に保つためには、神経を守ることがとても大切です。
神経を抜くと起こる変化
歯が脆くなる
神経を失った歯は栄養が届かず、枯れ木のように脆くなります。
ちょっとした食いしばりや硬いものを噛んだだけで、ヒビが入ったり、折れたりするリスクが高まります。
歯の色がくすむ
神経を抜いた歯は新陳代謝が止まり、時間とともに灰色っぽく変色していきます。
周囲の健康な歯と比べて、色の違いが目立つこともあります。
虫歯に気づきにくくなる
神経を抜いた歯でも、虫歯になることはあります。
しかし痛みを感じにくいため、虫歯に気づいた時にはかなり進行していることが多く、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。
そもそも、なぜ神経を抜く必要があるの?
歯の神経は、できるだけ取らない方がいいものですが、やむを得ず除去しなければならないケースもあります。
それは、歯を残すための「最後の手段」として行う治療です。
たとえばこんな場合に神経を取ることがあります。
重度の虫歯
虫歯が神経まで達してしまうと、激しい痛みを伴う炎症が起こります。
この状態では神経を保存することができず、取り除く必要があります。
重度の知覚過敏
通常の知覚過敏は治療や経過観察で改善しますが、日常生活に支障をきたすほど痛みが強い場合は、神経を除去する選択をすることもあります。
歯の神経が壊死している
虫歯や外傷により神経が死んでしまうと、感染や膿が広がり、口臭や炎症を引き起こします。
こうなると、感染を止めるために神経を除去する必要があります。
歯の破折・ヒビ
歯に大きなヒビ割れが入り、神経まで影響している場合には、感染予防のために神経を取る処置が必要です。
最新の治療法「MTAセメント」で神経を守る
近年では、MTAセメントという最新の材料を使うことで、神経を守りながら治療できる可能性が広がっています。
MTAセメントとは?
「MTA(Mineral Trioxide Aggregate)」は、ミネラル成分を含んだ歯科用セメントです。
封鎖性と殺菌効果に優れており、神経を保護しながら自然な修復を促す力があります。
虫歯が深く進行していても、MTAセメントを使うことで神経を残せるケースが増えています。
MTAセメントのメリット
- • 深い虫歯でも神経を残せる可能性が高まる
- • 歯の寿命を延ばせる
- • 根管治療と比べ、治療回数が少ない(1回で済むことも)
治療後は2週間~3ヶ月ほど様子を見ながら、痛みが出ないか確認していきます。
※ただし、MTAセメントを使っても必ず神経が残せるわけではありません。
MTAセメントが使えないケースもある
次のような状態では、残念ながらMTAセメントを使えないことがあります。
- • 強い痛みがある場合(神経に大きな炎症がある)
- • 神経がすでに死んでいる場合
- • 冷たいものや風で強くしみる場合(重度の炎症)
- • 虫歯が歯ぐきの下深くまで進行している場合
こうしたケースでは、通常の根管治療を選択することになります。
MTAセメントの費用について
MTAセメント治療は、自費診療となります。
詳しい費用は、醫院へ直接お問い合わせください。
まとめ
歯の神経は、できるだけ守るべき大切な組織です。
当院では、最新の治療法であるMTAセメントを活用し、神経を残すための最善の治療を提案しています。
「なるべく歯を長持ちさせたい」
「できるだけ神経を抜きたくない」
そんな想いをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
ご自身の歯を守るために、最適な治療方法を一緒に考えていきましょう。
この記事の監修者
院長:政久 直紀
経歴
- 広島大学歯学部 卒業
- 医療法人光済会 森本歯科医院 勤務
- 医療法人明生会 明生会歯科診療所 院長
- 政久デンタルオフィス 開業
- 政久歯科醫院 移転開業
- 医療法人社団BLISS 開設