小児矯正治療を早期開始したほうがいい理由|岡山にある歯医者【政久歯科醫院】
2024年7月29日
近年、大人も子供も歯科矯正治療を受ける人が増えてきました。 矯正時期は主に2つあり、乳歯から永久歯へ生え変わる時期の小児矯正は第Ⅰ期治療、永久歯が生え揃った大人矯正は第Ⅱ期治療と呼ばれています。 小児矯正の治療のゴールは、永久歯が生えるためのスペース作りです。最終的に永久歯をきれいに並べる大人矯正とはゴールが異なります。 基本的に顎と歯の大きさのバランスが崩れると、歯がきれいに生えてくるスペースがなくなり歯並びが悪くなります。歯並びが悪くなる原因として、あごの形状や歯の大きさ・本数だけでなく、生活・食習慣や口腔習癖(お口周りの悪い癖)も挙げられます。 大人になってから矯正を始める方も大勢いらっしゃいますが、実は顎の成長期に合わせて子どもの頃からアプローチし始めるほうがよい場合もあります。 本日は、子供の矯正治療について早期に開始したほうがいい理由について解説していきます。
目次
永久歯の抜歯の可能性を下げる(外科的矯正治療)
顎の成長時期に合わせて治療することで、上下の顎の位置や大きさのバランスを改善し、永久歯が生えるスペースを作り、将来的に永久歯を抜歯しなくて済む可能性が高くなります。 大人の場合は、すでに顎の成長が終わっているため、出っ歯などの歯並びを治そうとしたときに、抜歯やが必要になることもあります。できるだけ抜歯する可能性を低くするために、骨が柔らかく成長過程の子供のうちから顎の骨にアプローチする矯正を検討してみましょう。軽度の症例の場合は、第Ⅰ期治療で終わる方もいらっしゃいます。大人矯正まで治療を続ける場合でも、抜歯を伴う矯正治療を避けることができ、治療期間が短く済み、トータルの費用を抑えられることもあります。 乳歯列期(3歳〜5歳頃)に、乳歯同士が隙間なく並んでいる場合は、将来『歯列不正』の可能性が高くなります。ほとんどの永久歯は乳歯よりも大きいです。そのため、乳歯はすきっ歯で並んでいる必要があります。また、顎が小さいと永久歯が生えるためのスペースが足りなくなり、歯並びが悪くなりやすいとされています。 そのため、小児矯正は6〜8歳頃の顎が成長する時期に合わせて治療を始め、顎を広げる装置をつけ、永久歯が生えるスペースを確保することが大切です。
歯列不正を引き起こす口呼吸や低位舌などの悪習癖を治す
お子さんはお口ポカンと開ける、指しゃぶりや爪噛みをする、舌で前歯を押すなどの癖はありませんか? これらは口の悪習癖といい、この癖を子供のうちから早期に治すことで、矯正後の後戻りを防いだり、将来的な歯列不正を予防することができます。 後戻りとは、歯科矯正後に再び歯が動いて歯並びが元の状態に戻ってしまうことです。とくに矯正終了直後は、歯の周りの骨が安定するまで、歯を固定しておく必要があります。 矯正治療が終了してしばらくの間はリテーナーという歯を固定する装置をいれておきます。しかし、いくらリテーナーを装着していても、指しゃぶりや口呼吸、低位舌、舌で前歯を押すなどの悪習癖を治さずにいると歯並びは再び悪くなります。そのため歯並びが悪くなる習慣を治すトレーニングも必要となります。 気づくとお口が空いていませんか?きれいな歯並びは口の周りの筋肉や舌の力でバランスを保っています。鼻呼吸ができないと口呼吸となり、口周りの筋肉も弱くなり、口がポカンと空いてしまいます。そうすると、出っ歯になってしまう原因にもなります。お子さんがゲーム中やテレビみているとき、マスクをしているときに口呼吸していないかチェックしましょう。鼻炎がある場合は耳鼻科で治療しましょう。
長年の指しゃぶりは上顎の狭窄をおこします
長期間の指しゃぶりは、出っ歯になり開咬という歯列不正がおきる可能性があります。 できれば目安は3〜4歳頃からは、指しゃぶりやめるように声掛けをはじめましょう。お子さんの指しゃぶりが気になる場合は、一度歯科医院で相談してみてくださいね。
舌の正しい位置を知りましょう
舌の先端は上顎の前歯の後ろにあるスポットといわれる位置におき、舌全体は上顎にくっつけるように挙上させましょう。舌の筋肉が弱く舌が落ちてしまうと、上顎の成長不足を引き起こす可能性もあります。また舌で前歯を押す癖があると前歯が前方に倒れ出っ歯になりやすくなります。 舌や唇のトレーニングしながら矯正できる歯科医院も多くあります。正しく発音し、噛むことができる歯並びを目指しましょう。
歯磨きしやすい歯並びで虫歯・歯周病予防
歯並びが良くなることで歯みがきしやすく歯肉炎やむし歯になりにくくなります。 小学生の間は乳歯と永久歯が混在している生えかけの時期のため、歯磨きがとても難しくなります。それに加えて(歯が重なって生えるなど)永久歯の萌出位置が良くないと磨き残しが増え、虫歯や歯肉炎リスクが高くなります。小児矯正を行うことで、永久歯の萌出スペースを確保し、磨きやすい歯列を獲得することが大切です。矯正治療中は特に小学生の間も仕上げ磨きはとても大切です。毎日仕上げ磨き、歯磨きチェックしてあげてください。
まとめ
小児の歯科矯正の目的は上下の顎の位置や大きさのバランスを改善し、永久歯が生えてくるスペースを作り、悪習癖を治しながら正しく噛むことができるようにすることです。 小児矯正は大人矯正と違い、100点満点の歯並びを目指すことではありません。 小児矯正しておくと、中高生以降になって大人矯正したい場合でも、治療期間が短く済む・抜歯をせずに済むなどのメリットが多くあります。 健康的できれいな歯並びは一生の宝です。 学校検診で歯並びについて指摘された場合や『歯並び』や『習癖』について気になることがある場合には是非一度、歯科医師や矯正認定医にご相談ください。
政久歯科醫院の子どもの矯正歯科についてはこちら⇨
この記事の監修者
院長:政久 直紀
経歴
- 広島大学歯学部 卒業
- 医療法人光済会 森本歯科医院 勤務
- 医療法人明生会 明生会歯科診療所 院長
- 政久デンタルオフィス 開業
- 政久歯科醫院 移転開業
- 医療法人社団BLISS 開設