【最終版】ブログ記事お口ポカン|岡山にある歯医者【政久歯科醫院】
2024年11月25日
突然ですが、クイズです!
目次
Q、歯並びや噛み合わせに影響する原因は?
- ① 遺伝的原因(両親、祖父母が歯並び・噛み合わせが悪い)
- ② 生活習慣原因(食べ方、姿勢、指吸い、爪噛み、頬杖など)
- ③ ①+②のどちらも関係がある
正解は、今回の記事の中にありますよ〜♪
歯科衛生士22年目、お母さん歴17年目の中島です。
今回は、「お口ポカン」についてです。
お口ポカンとは
日常的に無意識に唇が開いている状態。 専門的には、口唇閉鎖不全症(こうしんへいさふぜんしょう)と呼ばれます。
ナゼ?お口が無意識に開いている?
お口の周りの筋肉(機能)低下(唇、舌、頬などの動きがうまくできない)が主な原因と言われています。また、そのことが引き金となり、上あごの骨が理想的な大きさに成長していない場合は、鼻での呼吸が難しくなり、お口で呼吸する口呼吸と呼ばれる状態になることもあります。
お口の筋肉(機能)低下
❶お口
産まれてから、赤ちゃんはおっぱいやミルクを飲んで身体を成長させます。 同時にお口の筋肉もその度にトレーニングをしています。おっぱいやミルクを飲むためには、唇と舌と頬を一生懸命に使います。 その後、離乳食期を経て、飲む動きから食べる(噛む)動きを学びます。 生後1年くらいをかけて、お口を一生涯使うための筋肉(機能)を身に付けていくのですが、
- *くちゃくちゃ音がする
- *口から食べこぼす
- *噛まない、または噛む時間が長い(目安:噛まない/5回もしくは、5秒未満。噛む時間が長い/1分以上
- *食べムラがある
- *片側ばかりで噛む
- *飲み込む時、顔にしわがたくさん入る、または首が動く などが見られる場合は、お口の筋肉(機能)がうまく使えていないかもしれません。
❷姿勢
赤ちゃんは、お腹の中で無重力の世界にいます。 この世に誕生した瞬間から重力を感じます。神秘的✨ですよね。 最初は本能で生きていくために、泣いて訴え周りの大人に助けてもらっています。なんとも愛おしい瞬間ですね! そして、いずれ大人になり自分の足で立ち生きていく為に、自らの意思で体を動かしていきます。
その過程は、
手足を動かす→首を動かす→うつ伏せ→上半身を起こす→四つ這い(ハイハイ)→つかまり立ち→一人立ちの順番で2足歩行ができるようになります。 順番を飛ばして成長することで、動かしたい部分、保ちたい姿勢が維持できないことが起こります。また、その成長発達の過程の中で抱っこの仕方・座る椅子の種類・運動不足・靴の種類なども関係し、成長が左右されることもあると言われています。 お口と体の成長発達は密接な関係があり、体の成長が未発達であればお口の筋肉(機能)も思うように動かせないことがあります。
❸環境
私たち人間は、お手本を元に学び・身につけていくことが多いです。職人の世界では「師匠の背中を見て学べ」書道の世界でも「先生が書いたお手本を真似して書くこと」が求められます。 様々な世界で、お手本を見て真似をし続けていくと、やがて自分もできるようになります。 お口も同じく、周りの大人の口が開いていると、子供たちもそれを見て真似をします。 意図的ではなくても、❶や❷も含めてその子を取り囲む環境が影響する場合があります。
「でも、お口が空いていても困ってなければ問題なくない?!」と疑問に思いますよね。
お口ポカンと開いていることで、なにが問題?
「食べる・話す・呼吸をする」ことに影響がでます。
唇を閉じ、舌は常に上あごの歯の内側に収まっている形が理想とされています。 理想的な場所に唇・舌があるのは、筋肉がしっかり働いてくれているおかげです。 しかし、お口が開いている=いつも舌が下あごや歯に当たっている状態になります。 舌が下あごや歯に当たっている場合、歯並びにも影響を及ぼす為、食べることが難しくなります。
食物を前歯で噛み切り、奥歯ですりつぶし、唾液と混ぜて舌を使って飲み込む。 この動きが理想的にできていなくても、食べることは可能ですが、理想的にできていないことで 「食べる時にくちゃくちゃ音がする」「食べこぼす」「丸飲み・飲み込めない」「唾と混ざらず消化が悪くなる」など、食事のマナーや体への負担も考えられますね。
また、歯並びや噛み合わせ・顔の歪みに大きな影響が出る、そして口が渇くことで口臭・むし歯・風邪をひきやすい・夜のイビキ、集中力が下がる、など様々な日常生活に影響を及ぼす原因の一つとなります。
「うちの子、お口が常に開いていて困っている」と歯科を受診される方が増えてきている一方で、専門的視点から見ると「口唇閉鎖不全症」だが、本人は困っていない、また周りの大人も気づいていない(子どもが困っていない為)ことが多いと感じています。
自分で・ご家族で気づくきっかけに、セルフチェックをお勧めしています。日常生活の中にもお口が開く原因が潜んでいるため、一度、確認をしてみてください。
・噛む回数が長すぎる、短すぎる
・舌のクセがある
・発音が聞き取りにくいことがある、周りに言われたことがある
・舌をべーっと出すと、先端がハートのように窪んでいることがある
・指吸いや爪噛みなどがある
・慢性的な鼻炎などのアレルギーがある
・猫背など姿勢が悪い
・寝るときには、うつ伏せや横向きで寝ていることが多い
・夜尿症がある
このようなことが当てはまる場合は、何らかの原因でお口がポカンと開いている可能性があります。
まとめ
近年、お口ポカンは歯科医院で、口唇閉鎖不全や口腔機能発達不全症として、治療を受けることができるようになりました。
極論ですが、私は「生きていく上でその子がその家族が、それぞれの幸せを感じ、元気であれば良い」と思います。
自分自身の人生(仕事もプライベートも)振り返ってみれば、3人の子育てをしている中で、心身的にトラブルが起こった時に、「あの時、知っていれば行動に移せて今の問題が回避できる可能性」があったことが何度も何度もあります。 きっと何をしても、結果に大差はないかもしれませんし、後悔することは起きると思います。しかし、その時々で自分の納得できる選択や行動であったかは、気持ちの部分で大きな差が出ると思っています。
ただ、完璧な人生を送ることが目的ではなく、それぞれの価値観の中で、できることを見つけ一つでも少しでも何か行動することができたら良いな〜と考えています。 こちらの記事を読むことで、行動する一歩が踏み出せるきっかけになれば嬉しいです。
クイズの正解は…
③の遺伝的原因+生活習慣原因のどちらも歯並びや噛み合わせに影響します。
この記事の筆者
歯科衛生士:中島加奈
プロフィール
- 歯科衛生士歴22年
- 米粉ナチュラルアドバイザー
- 3児の母
- お口育て教室・離乳食講座開催
この記事の監修者
院長:政久 直紀
経歴
- 広島大学歯学部 卒業
- 医療法人光済会 森本歯科医院 勤務
- 医療法人明生会 明生会歯科診療所 院長
- 政久デンタルオフィス 開業
- 政久歯科醫院 移転開業
- 医療法人社団BLISS 開設