歯を削りたくない方へ|歯を削らなくてもよい場合があります|岡山にある歯医者【政久歯科醫院】
2024年6月17日
歯は削るほど弱くなるため、初期段階の虫歯は削らずに治療することが理想的です。本記事では、歯を削ることなく虫歯を治せるのか、虫歯の初期段階でできる治療法と歯を削らずに済ませる予防策を紹介します。
目次
歯を削らずに管理していきます
虫歯の進行は、C0~C4までの5段階に分類されます。C0段階は初期虫歯であり、この時点では歯のエナメル質が溶け始めているだけで穴は開いていません。初期虫歯は、適切なケアと治療により、削ることなく対応が可能です。 そもそも虫歯は、歯の表面であるエナメル質が酸にさらされ溶けた状態です。エナメル質は人体の中で最も硬い組織ですが、飲食物に含まれる糖分がお口の中の細菌と反応し、酸を生成します。この酸がエナメル質に作用し、歯の成分であるカルシウムやリンといったミネラルを溶かしてしまうのです。この現象を「脱灰(だっかい)」と呼び、進行すると虫歯の原因となります。 一方で、脱灰によって失われたミネラルが歯に戻ることを「再石灰化」と言います。フッ素塗布やフッ素入りの歯磨き粉を使用することで再石灰化を促進し、エナメル質を強化することで初期の虫歯をコントロールすることができるのです。
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そもそも歯を削らなくてはいけないのはどんな時?
歯を削らなければならない状況は、虫歯が進行してしまった場合です。
虫歯が進行している時
歯を削る必要が生じる主な理由は、虫歯です。虫歯が進行し、エナメル質に穴が開いて、象牙質や神経まで影響が及んだ場合は、虫歯治療で歯を削る必要があります。 虫歯治療では、虫歯菌に感染した部分を完全に除去するために歯を削ります。この処置を怠ると虫歯が悪化し、痛みや腫れを引き起こす可能性があるからです。さらに感染が広がるとケースによっては抜歯が避けられなくなることもあります。 削った部分は、詰め物や被せ物で歯の見た目と機能を回復します。 虫歯治療後に詰め物をする場合、歯の形を整えて詰め物が安定する基盤を作ります。クラウンやブリッジを装着する際も同様です。歯を削って土台を作ることで修復物がしっかりと固定され、長期間にわたって機能するようにします。
歯を削らないといけなくなる前に!予防策について
歯は削れば削るほど脆くなります。虫歯治療などで削った歯は、神経を抜いたり、抜歯になる可能性が高まるため、虫歯を未然に防ぐことが重要です。ここでは、虫歯を作らない、進行させない予防策を紹介します。
フロスや歯間ブラシを使ったセルフケア
皆さんは毎日歯を磨いていると思いますが、その際にフロスや歯間ブラシも使用していますか?実は、歯ブラシだけでは約60%の汚れしか取り除けません。虫歯や歯周病を予防するためには、歯垢の除去率を少なくとも80%以上にする必要があります。 フロスは、歯と歯の間の狭い隙間のプラークを取り除くのに効果的です。一方、歯間ブラシは、より広い隙間やブリッジの下など、フロスが届きにくい部分に使用できます。セルフケアの一環として、毎日の歯磨き後にフロスや歯間ブラシを使う習慣を身につけることが大切です。
歯医者の定期検診に行こう
虫歯予防は自宅でのケアだけでなく、定期的な歯科検診も必要です。どれだけ丁寧に歯磨きをしても、磨き残しはどうしても発生します。特に、歯周ポケットの中や歯と歯の間、奥歯の後ろなどは、セルフケアだけで汚れを落とすのは困難です。 歯医者の定期検診では、プロフェッショナルによるクリーニングも受けられます。歯垢や歯石、着色汚れもしっかりと除去することが可能です。フッ素を塗布することで歯の強化も行います。 また、虫歯や歯周病のチェックも行われるため、どんどんと進行してしまう前に適切な治療につなげられます。定期検診を受けることで、虫歯予防につながり歯を削らなくて済む可能性が高まります。お口の状態に応じて異なりますが、3ヶ月に1回を目安に検診に行きましょう。
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歯を大幅に削る治療とは?
歯を大幅に削る治療は、大きな虫歯になって神経を抜かなければならない時や、被せにする時に必要です。
根管治療
根管治療は、虫歯が歯の神経まで進行した場合に行われる治療です。虫歯菌に感染した歯の神経を取り除き、内部を清掃して消毒し、その後土台を立てて被せ物を装着します。神経を取り除く過程で歯を大きく削る必要が生じますが、これは神経にアクセスしやすくし、虫歯を完全に取り除くためです。根管治療に取り組む前は、治療の流れについて歯科医師から詳しい説明を受け、納得した上で臨みましょう。
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被せ・クラウン
一方、クラウンは、歯の見た目を回復させるために用いられる治療です。歯の外側を大幅に削った後、被せ物を装着します。美しい仕上がりが得られるものの、削る量が多いため、選択する際は治療内容やリスクをしっかりと理解しておくことが重要です。
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