歯周病は治る?進行度別の治し方と歯科での治療の流れ
2026年10月19日
目次
「歯磨きをすると歯茎から血が出る」「歯医者で歯周病と言われたけれど、本当に治るの?」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
歯周病は、進行度によって歯茎や歯を支える骨への影響が異なり、必要となる治療も変わります。歯茎だけに炎症が起きている段階であれば健康な状態への改善が期待できますが、歯を支える骨にまで影響が及んでいる場合には、病気の進行を抑えて現在の状態をできるだけ維持することが治療の中心になります。
この記事では、歯周病はどこまで治るのかを解説したうえで、初期・中等度・重度の3段階に分け、それぞれの状態や症状、必要となる治療について、岡山市の政久歯科醫院が解説します。

歯周病は治るのか?進行度によって変わる「治る」の意味
歯周病がどこまで改善するかは、病気の進行度によって異なります。
歯周病の初期段階で、炎症が歯茎だけにとどまっている「歯肉炎」であれば、原因となる歯垢(プラーク)や歯石を取り除き、適切なセルフケアを続けることで、腫れや出血などの改善が期待できます。
一方、炎症が歯茎の奥まで広がり、歯を支える歯槽骨が失われる「歯周炎」まで進行すると、失われた骨や歯周組織が自然にすべて元どおりになるわけではありません。
そのため、歯周炎では、
- 歯周病の原因となる細菌を減らす
- 歯茎の炎症を抑える
- 歯周病の進行を止める
- 現在残っている歯や歯周組織をできるだけ維持する
ことが治療の大きな目的となります。
また、骨の失われ方や歯の状態など一定の条件を満たす場合には、歯周組織の回復を促す「歯周組織再生療法」を検討できることもあります。
歯周病の進行度は、見た目だけでは判断できません。歯周ポケットの深さや検査時の出血、歯の揺れ、レントゲンで確認できる歯槽骨の状態などを総合的に確認することが大切です。
初期の歯周病|歯茎の出血や腫れがみられる段階

初期の歯周病では、歯と歯茎の境目にたまった歯垢によって歯茎に炎症が起こります。
まだ歯を支える骨への影響が少ない段階では、自覚症状がほとんどないことも珍しくありません。そのため、「少し血が出るだけだから」とそのままにしてしまう方もいます。
初期の歯周病はどのような状態?
初期には、歯茎に炎症が生じる「歯肉炎」や、歯槽骨への影響が比較的少ない軽度の歯周炎がみられます。
歯と歯茎の境目に歯垢や歯石が付着し、その周囲で炎症が起きている状態です。
この段階では歯が大きく揺れることは少なく、強い痛みが出るケースも多くありません。
初期の歯周病でみられる症状
代表的な症状には、次のようなものがあります。
- 歯磨きをすると歯茎から血が出る
- 歯茎が赤くなっている
- 歯茎が腫れている
- 朝起きたときに口の中がねばつく
- 以前より口臭が気になる
歯周病は痛みがなくても進行することがあります。出血や腫れを繰り返している場合には、早めに歯科医院で状態を確認しましょう。
歯茎の腫れや痛みについては、歯茎が腫れて痛いときの原因と対処法でも詳しく解説しています。
初期の歯周病に必要な治療
初期の歯周病では、歯垢や歯石を取り除き、歯垢がたまりにくい状態をつくることが治療の基本です。
歯科医院では、患者さんのお口の状態に合わせた歯磨き方法を確認するとともに、専用の器具を使って歯の表面に付着した歯石を除去する「スケーリング」などを行います。
自宅でのセルフケアも非常に重要です。歯ブラシだけでなく、必要に応じて歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、歯と歯の間まで歯垢を取り除いていきます。
歯肉炎の段階であれば、原因となる歯垢を適切に除去することで、歯茎の出血や腫れなどが改善する可能性があります。
毎日のケアについては、歯磨きの理想的な回数と効果も参考にしてください。
「中等度の歯周病|歯を支える骨への影響が進んだ段階

歯周病が中等度まで進行すると、歯を支える歯槽骨への影響も大きくなります。
初期よりも歯周ポケットが深くなり、その内部に歯垢や歯石がたまりやすくなるため、歯ブラシだけでは汚れを十分に除去することが難しくなります。
中等度の歯周病はどのような状態?
中等度の歯周病では、歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなり、歯を支えている歯槽骨の吸収が進んでいる状態がみられます。
歯周ポケットの深い部分や歯の根の表面には歯石が付着することがあり、そのままにすると炎症が続きやすくなります。
歯茎が下がり、以前より歯が長く見えるようになることもあります。
中等度の歯周病でみられる症状
初期の症状に加えて、次のような変化がみられることがあります。
- 歯茎から出血しやすい
- 歯茎の腫れを繰り返す
- 口臭が強くなってきた
- 歯茎が下がって歯が長く見える
- 歯と歯の間に隙間ができてきた
- 噛んだときに違和感がある
- 歯が少し揺れる
ただし、歯槽骨が失われ始めていても強い痛みが出ないことがあります。
症状だけで進行度を判断することは難しいため、歯周ポケット検査やレントゲン検査などによる確認が必要です。
中等度の歯周病に必要な治療
中等度の歯周病でも、まずは歯周基本治療を行います。
歯磨き方法の改善やスケーリングに加えて、歯周ポケット内部や歯根の表面に付着した歯石などを取り除き、根面を整える「ルートプレーニング」を行うことがあります。
治療後は、歯周ポケットの深さや出血の有無などを再度検査し、炎症がどの程度改善したかを確認します。
歯周基本治療によって状態が改善すれば、その後は定期的なメンテナンスによって安定した状態の維持を目指します。
一方、歯周ポケットの深い部分に歯石や炎症が残っている場合には、歯周外科治療など追加の処置を検討することがあります。
重度の歯周病|歯の揺れや噛みにくさが現れる段階

重度の歯周病では、歯を支える歯槽骨がさらに失われ、歯を十分に支えることが難しくなります。
この段階になると、歯の揺れや噛みにくさなど、日常生活でも気づきやすい症状が現れることがあります。
重度の歯周病はどのような状態?
重度の歯周病では、深い歯周ポケットが形成され、歯槽骨の吸収も広い範囲に及んでいることがあります。
歯を支える組織が少なくなるため、歯が揺れたり、歯の位置が変化したりすることがあります。
また、歯周ポケットの内部で炎症が強くなると、膿が出ることもあります。
重度の歯周病でみられる症状
代表的な症状としては、次のようなものがあります。
- 歯がグラグラする
- 硬いものを噛みにくい
- 噛んだときに痛みや違和感がある
- 歯茎から膿が出る
- 歯茎が大きく下がっている
- 歯と歯の隙間が広がる
- 歯並びが以前と変わってきた
- 強い口臭が気になる
重度まで進行すると、歯を保存することが難しくなる場合もあります。
そのため、「歯が揺れている」「噛みにくくなった」といった症状がある場合には、できるだけ早く検査を受けることが重要です。
重度の歯周病に必要な治療
重度の場合でも、まずは歯周基本治療によって歯垢や歯石を除去し、炎症を抑えることから始めます。
そのうえで深い歯周ポケットや炎症が残る場合には、歯茎を開いて歯根面を確認しながら歯石や炎症組織を取り除く歯周外科治療を検討することがあります。
また、骨が失われている部分の形態や歯の状態など、一定の条件を満たす場合には、失われた歯周組織の回復を促す「歯周組織再生療法」が選択肢となることもあります。
ただし、歯周組織再生療法はすべての歯に行えるわけではありません。
歯槽骨の状態や歯の揺れ、歯根の状態などを確認し、歯を保存できる可能性が低いと判断される場合には、抜歯を検討することもあります。
政久歯科醫院では、歯周基本治療に加えて、状態に応じた歯周外科治療や歯周組織再生療法にも対応しています。他院で抜歯が必要と診断された歯についてのセカンドオピニオンにも対応し、検査結果をもとに保存できる可能性があるかを確認します。
歯周病治療では治療後のメンテナンスも重要
歯周病は、治療によって炎症が落ち着いたあとも、歯垢が再び蓄積すると再発・進行する可能性があります。
そのため、歯周病治療では「症状がなくなったら終わり」ではなく、良い状態を維持していくことが重要です。
治療後は、患者さん自身による毎日のセルフケアと、歯科医院で行う定期的なメンテナンスを組み合わせて管理していきます。
メンテナンスでは、歯茎の状態や歯周ポケット、出血の有無などを確認し、自宅では取り除きにくい歯垢や歯石を除去します。
受診間隔は、歯周病の進行度や治療後の状態、セルフケアの状況などによって異なります。
歯周病治療の期間と費用|保険は適用される?
歯周病の検査や歯石除去、歯磨き指導などの歯周基本治療は、原則として保険診療の対象です。
治療は、検査、歯周基本治療、再評価と段階的に進めていくため、複数回の通院が必要になることが一般的です。
治療期間は歯周病の進行度や処置する部位、治療後の改善状況などによって異なります。
初期の場合には比較的短期間で状態が改善することもありますが、中等度から重度になると数か月以上にわたって治療を行う場合があります。
費用についても、保険の負担割合や検査・処置の内容によって異なります。
また、歯周外科治療や歯周組織再生療法については、治療方法や適応条件によって保険適用の可否が異なるため、事前に治療内容や費用について説明を受けることが大切です。
当院の料金については、料金表ページをご確認ください。
よくある質問
歯周病は自分で治せますか?
毎日の歯磨きや歯間ブラシ、デンタルフロスによる歯垢除去は、歯周病治療に欠かせません。
歯肉炎の段階では、適切なセルフケアによって炎症の改善が期待できる場合があります。
ただし、一度硬くなった歯石は歯ブラシでは取り除けません。また、歯周ポケットが深くなると、その内部まで歯ブラシの毛先を十分に届かせることは難しくなります。
歯周病が疑われる場合には、セルフケアだけで対処しようとせず、歯科医院で状態を確認しましょう。
歯周病を放置するとどうなりますか?
歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が徐々に失われます。
さらに進行すると歯が揺れたり、噛みにくくなったりし、最終的には歯を保存することが難しくなる場合があります。
歯周炎によって失われた歯周組織は自然にすべて元どおりになるわけではないため、早い段階で治療を開始することが重要です。
「抜歯しかない」と言われた歯は残せますか?
歯を保存できるかどうかは、歯槽骨がどの程度残っているか、歯の揺れや感染の程度、歯根の状態などによって異なります。
条件によっては歯周外科治療や歯周組織再生療法を検討できることがありますが、すべての歯を保存できるわけではありません。
無理に歯を残すことが周囲の歯や組織に悪影響を与える場合もあるため、検査結果をもとに保存できる可能性を慎重に判断する必要があります。
歯石取りは痛いですか?
痛みの感じ方には個人差があります。
歯茎の炎症が強い場合や、歯周ポケットの深い部分を処置する場合には、しみたり痛みを感じたりすることがあります。
必要に応じて局所麻酔を使用しながら処置する場合もありますので、痛みに不安がある方は治療前にご相談ください。
岡山市で歯周病の治療をお考えの方は政久歯科醫院へ
歯周病は、初期には歯茎からの出血や腫れ程度であっても、進行すると歯を支える骨が失われ、歯の揺れや噛みにくさにつながることがあります。
初期・中等度・重度では必要となる治療も異なるため、まずは検査によって現在の状態を正確に把握することが大切です。
政久歯科醫院では、歯周病の検査や歯周基本治療をはじめ、状態に応じて歯周外科治療や歯周組織再生療法にも対応しています。治療後は、歯周病の再発・進行を防ぐための定期的なメンテナンスも行っています。
歯茎からの出血や腫れ、歯が揺れる、噛みにくいなどの症状が気になる方は、岡山市で土曜日も診療している政久歯科醫院へご相談ください。
この記事の監修者
副院長:政久 侃祐
経歴
- 九州歯科大学歯学部 卒業
- 医療法人良陽会 鶴田歯科医院 勤務(研修医)
- 政久歯科醫院 入社
資格・所属学会・団体
- 日本口腔インプラント学会
- 日本歯周病学会
- 日本歯科保存学会
- 日本歯内療法学会
- 大阪SJCDベーシックコース



















